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大量閉店から奇跡の復活 クリスピークリームが「ドーナツ戦争」から勝ち抜けたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月25日 7時15分

 これにより、クリスピークリームは東名阪三大都市圏にいったん経営資源を集約したうえで立て直しを図ることとなった。

●転機となった「メルセデスベンツ」とのコラボ

 クリスピークリームが2015年から2018年にかけて大量閉店に取り組む最中、転機となる新店舗があった。それが「Mercedes me Tokyo HANEDA店」だ。

 Mercedes me Tokyo HANEDAは、高級車として高い知名度を誇る「メルセデス・ベンツ」が、羽田空港を利用する幅広い層に向けてブランドの魅力を発信する拠点として、2015年7月にアジアで初めて開設した新業態だ。

 クリスピークリームは、施設内カフェスペースの中核店舗の一つとして、メルセデスが持つブランドの世界観を生かした期間限定商品を、オリジナルのマグカップやグラスとともに提供。メルセデスの日本市場における販売台数拡大にも一役買うこととなった。

 その後もクリスピークリームは2016年9月開店の「イオンタウンユーカリが丘店」に同社初となるキッズスペースを併設。2018年10月開店の道内1号店「千歳アウトレットモール・レラ店」には、日本上陸当初話題を集めたドーナツ製造工場(ドーナツシアター)を併設し、道内多店舗化の足がかりとするなど、立地特性を生かしたコンセプトや付加価値を各店それぞれ反映させていくこととなる。

 直近に開店した「ららぽーとEXPOCITY店」では、ムラサキスポーツの西日本旗艦店「ムラサキパーク」が店舗に隣りあっていることから「ドーナツとスポーツが一緒に楽しめる新コンセプト店舗」を掲げ、国内最大級のスケートボードパークをクリスピークリーム店内から観戦可能な構造を採用。国内ではクリスピークリーム旗艦店「東京国際フォーラム店」限定販売だった「オリジナル・グレーズド・ソフトクリーム」を導入するなど、ムラスポとの連携を意識したスケボーファンの心を掴む空間に仕上げた。

 同じく大量閉店の最中、2017年5月に開店した「ディアモール大阪店」はカフェスタイルの比較的小規模な店舗であり、大都市圏内での小型店やテイクアウト専門店の拡大に向けた布石となった。これらの店舗はコロナ禍で伸長したテイクアウト需要の獲得に大きな役割を担った。

●商品開発の方針も刷新

 クリスピークリームの変化は商品開発にもみられている。

 2018年10月の道内進出にあわせて、札幌市公認札幌スマイルPR大使「ジンギスカンのジンくん」を始めとする道内有名企業・キャラクターとのコラボや、道産食材を前面に打ち出した地域限定商品「クリスピークリームプレミアム北海道」を販売開始した。

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