「マツダの快進撃」はまだまだ続く? 認証不正発覚から襟を正して未来を描けるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月7日 6時5分
![写真](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/itmedia_bizmakoto/itmedia_bizmakoto_20240607028_0-small.jpg)
マツダの快進撃はいつまで続くのか
マツダは、2023年度の業績で過去最高益を記録した。売上高は4兆8276億円、営業利益は2505億円。営業利益は前期比で76.4%もの増加を見せている。これは円安の影響ももちろんあるが、販売が好調であることが最大の理由だ。
近年、マツダ車を魅力的に見せているポイントは、大きく分けて3つある。1つ目はスタイリングだ。2012年にデビューした「CX-5」から採用された「魂動デザイン」と呼ばれるデザインテイストは、国内外で高い評価を受けている。
だが、マツダのデザインは昔からデザイナー(グラフィックデザイナーなどクルマ業界以外のデザイナーたち)からの評価が高かった印象がある。かつて存在したユーノスブランドの各モデルや、初のロータリーエンジン車となったコスモスポーツのデザイン性の高さは有名だが、ロータリー搭載のコンセプトカー「RX500」も社内デザイナーが手掛けた作品だと知ったとき(それも最近)には、少々驚きを覚えた。
当時は日本車でも、イタリアのカロッツェリアなどからデザインを買っていたことも多かった時代である。コンセプトカーは、そのメーカーの思想やセンス、技術力を示すものであるから、社内でデザインされるのが本来であるが、その頃のコンセプトカーを見比べてもRX500の洗練ぶりはダントツだった。
BMWのキドニーグリルやメルセデスのスリーポインテッドスター(これはエンブレムを強調しただけで、昔は風格のあるフロントグリルがアイデンティティーだった)など、アイデンティティーを確立させたデザインは欧州に多い。マツダの魂動デザインは、このまま進化し続けていくのではないかと思わせるほど、その顔つきに個性と品格を感じさせる。
そして最新のマツダデザインと言える作品が、今年4月に北京モーターショーで発表された2台のモデルだ。とりわけ「EZ-6」というセダンは市販予定車で、まだセダンの需要が根強い中国向けに用意されたモデルなのであろうが、端正なスタイリングは日本市場でも通用しそうだ。
BEV(バッテリー式電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)のパワートレーンは中国の長安汽車が手掛けたようだが、マツダのクルマとして妥協のないデザインであると感じ取れる。
●エンジンで分かる、クルマへの熱意
2つ目はエンジン技術である。最近復活を果たしたロータリーエンジンや、ガソリンでの超希薄燃焼を実現するHCCI(均一予混合圧縮着火燃焼)の現実版であるSKYACTIV-Xなど、独自のエンジン技術をいくつも保持しているのは、世界的に見てもまれな存在だ。
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