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流浪のクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」が静岡、浜松へ JR東海に観光列車の幕が上がる

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月15日 7時30分

 JR四国も経営状況は厳しい。しかしJR四国は観光列車のノウハウがある。「伊予灘ものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」などの「ものがたりシリーズ」だ。ただし、これらの列車は日帰りツアーが主体で、宿泊を伴うクルーズトレインではない。むしろ旅行会社の宿泊付きツアーに組み込まれる事例が多い。

 そんなJR四国にとって、「THE ROYAL EXPRESS」のクルーズツアーから得られる経験は多いだろう。なにしろJR四国は、四国を一周できる路線網を持っている。土佐くろしお鉄道を組み込み、バスで足摺岬や室戸岬を巡れば、さらに大きく四国全体をクルーズできる。クルーズトレインのツアーのように、沿線の宿泊施設や観光施設を取り込んだビジネスを学ぶチャンスだ。

 東急にとっては、JR北海道が自前のクルーズトレインを発表したため、次の出張先を確保したいという意図があったと思う。ただし、5月30日の記者発表会で東急の松田高広担当部長に聞くと、「今後も北海道クルーズを継続したい」と語った。JR北海道にしても、複数のクルーズトレインが走ることに異論はないだろう。ビジネスの種は多いほうがいい。

●2024年に伊豆急行を営業する予定はない

 北海道あり、四国ありと、「THE ROYAL EXPRESS」はもはや伊豆の列車ではなく、東急が各地で展開する「クルーズトレイン・ビジネス」になっている。JR東海が観光列車を走らせると聞いたときは意外だったけれど、「東急と共同で」となれば納得だ。

 時系列をさかのぼって、2024年2月10日に「THE ROYAL EXPRESS」の公式サイトで「2024年 THE ROYAL EXPRESSの旅」が発表された。その中で11~12月の「THE ROYAL EXPRESS 伊豆・静岡の旅」が告知され、「詳細が決まり次第お知らせいたします」となっていた。

 1~3月に「 四国・瀬戸内クルーズトレイン」、4~6月は「THE ROYAL EXPRESS」が定期検査のため「日本の観光列車をつなぐ美しさ、煌めく 旅。」としてブランドだけ冠したコースがあり、8~9月に「THE ROYAL EXPRESS 北海道クルーズトレイン」がある。

 筆者は、「THE ROYAL EXPRESS 伊豆・静岡の旅」が伊豆急行線を含んだコースだと思っていた。しかし実際はJR東海区間を走る旅だった。あらためて「静岡」という文字が入る意味が分かった。今年2月の段階で東急とJR東海の計画は進んでいたわけだ。

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