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北野武が愛用する高級時計メーカー「ジェイコブ」 なぜ1代でブランド化できたのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月4日 19時38分

 他の時計メーカーにはないオンリーワンを志向するため、見た目も機能も奇抜なものが少なくないのがジェイコブ&コーの特徴だ。

 例えば2020年に発売した「ジェイコブ×ブガッティ シロン トゥールビヨン」は、1台4億円以上する超高級スポーツカー「ブガッティ シロン」をモチーフにデザインした。フランスの高級自動車メーカー・ブガッティとコラボした製品で、W16エンジンの機構を、時計のゼンマイ駆動で再現。時計の方の価格は5000万円以上で、日本では映画監督の北野武が愛用している。

●映画『ゴッドファーザー』とコラボ テーマ音楽が流れる

 2022年に発売した「オペラ ゴッドファーザー 50周年記念モデル」は、オルゴールの円筒形のミュージックボックスの機構を、腕時計内に再現している。1972年に公開された映画『ゴッドファーザー』50周年を記念して製作した時計で、値段は9680万円だ(通常モデルでも6000~7000万円)。オルゴールのゼンマイを巻くと、実際にゴッドファーザーのテーマ音楽が流れる。

 こうした腕時計はあくまで時計の複雑な機構で魅せる設計になっており、時計自体に宝飾はあまり乗っていない。高級腕時計ファンからは「思いつきのとっぴな機構を実現できてしまう技術力の高さがジェイコブ&コーの強み」と評する声もある。

 一方で、35億円の時計「ビリオネア タイムレストレジャー」は、こうした複雑な機構に加え、216.89カラットの希少なイエローダイヤモンドを使用している。「宝石の調達だけで3年半の歳月をかけた」といい、宝石ブランドとしての強みも生かした製品だ。この時計は「世界一高価な時計」だとうたう。ホワイトダイヤモンドのバージョンはフロイド・メイウェザーが愛用している。

 6月29日に開かれた旗艦店のオープニングイベントでは、創業者で会長のジェイコブ・アラボ氏、映画監督の北野武もテープカットに参列した。北野武はジェイコブ&コーの腕時計のファンで、結果的に同社の日本向け展開での広告塔のような役割も果たしている。映画『首』がカンヌ国際映画祭で公式上映された際や、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などでも着用していた。北野武に、同社の時計に惹かれる理由を聞いた。

 「今までにないデザインや発想から時計ができていて、とても面白い。ただの時計というより芸術だよね。ワクワクする。時計の中に一つの世界、物語を作っているというのかな。機能とか技術力がすごいだけじゃなく、遊んでいるんだよね。(特にブガッティの時計は)車が大好きだし、暇さえあれば、エンジンのアニメーションを見て遊んでいるから。見た目より着け心地も良い。発想がすごいよ」

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