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「みどりの窓口は減ったけど、便利になったね」は不可能か いや、やればできるはず

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月27日 7時30分

「みどりの窓口は減ったけど、便利になったね」は不可能か いや、やればできるはず

きっぷを出張販売してみたらどうか

 2024年7月9日、JR東日本は自社サイトに「夏季における窓口開設等について」という報道資料を掲載した。お盆期間にみどりの窓口の混雑が想定されるため、臨時の窓口を増やすという内容だ。6つの駅で臨時窓口を開設し、関東エリアの29駅、東北エリアの9駅、信越エリアの6駅で窓口の数を増やす。

 「これまでも(中略)可能な範囲で窓口数を増やしてまいりましたが」と前置きしているところが言い訳がましい。それは確かに事実だが、それでも足りなかった。

 今回の発表は、就任したばかりの喜勢陽一社長が5月8日の定例社長会見で明らかにした「窓口の削減方針凍結」と「繁忙期の混雑に応じて、臨時に開設できる体制を整える」を受けてのことだ。

 関東エリアでみどりの窓口が増設される駅を下図に示した。ほとんどの駅が郊外にあり、他社の鉄道路線と乗り換えが可能になっている。私鉄沿線に住む人々は身近にみどりの窓口がないから、JR東日本の乗り換え駅に行き、そこにみどりの窓口があればいい。良い場所を選んだといえそうだ。これに当たるのが、例えば久喜駅、北千住駅、北朝霞駅、南越谷駅だ。ここにみどりの窓口がなければ、さらに乗り換えてきっぷを買いに行かなくてはいけない。

 また、乗り換える鉄道路線のない単独駅のうち、いわき駅、新浦安駅は大型ショッピングモールに隣接している。クルマで買い物に行き、きっぷも買えるというロケーションだ。みどりの窓口の混雑が激しい駅を統計的に選んだだけかもしれないけれど、人員不足の中でよく考えられた配置だと思う。

 もう少しがんばって、大手私鉄と連絡する駅や山手線で東京メトロと連絡する駅くらいは、廃止したみどりの窓口を復活してほしかった。例えば久里浜駅にあれば京急沿線の人々は助かるだろうし、長津田駅にあれば東急沿線の人に便利だ。何が言いたいかというと、「全ての駅でみどりの窓口を復活しなくてもよいから、JRでも私鉄でも、電車に1回乗ったらみどりの窓口にたどり着けるようにしてほしい」だ。

●有人窓口廃止はJR東日本だけではない

 JR東日本は2005年に「もしもし券売機 Kaeruくん」をJR青梅線の7駅に配置し、それと引き換えにみどりの窓口を廃止した。「もしもし券売機 Kaeruくん」は、指定席券売機に遠隔操作の対話機能を追加した券売機で、ネーミングセンスがよろしくなかったのか、後に「話せる券売機」になった。改良を重ねるとともに、みどりの窓口を指定席券売機や話せる券売機に置き換える駅が増えていく。2021年にはJR東日本のみどりの窓口を約7割減らして約140カ所にする方針を発表した。

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