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「人手不足倒産」増える宅配 インターフォンと宅配ボックスつないで再配達ゼロに

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月10日 15時23分

「人手不足倒産」増える宅配 インターフォンと宅配ボックスつないで再配達ゼロに

宅配ボックスに荷物を入れる宅配業者=都内渋谷区のマンション(筆者撮影)

 ネット通販の普及により宅配荷物が急増し、宅配業界では人手不足が深刻化している。最も手間のかかるのがマンションなどへの再配達だ。

 その課題に対し、インターネットに接続可能なインターフォンと、居住者の不在時に荷物を保管できる宅配ボックスをつなぐことにより「再配達ゼロ」にしようという野心的サービスが発表された。売り出したのは、海外ブランドのインターフォンの総代理店などを手掛けるDOORCOM(ドアコム、東京都港区)。この革新的なDXの取り組みについて松井伊織社長に聞いた。

●顔認証技術を活用 売り上げは毎年2倍増

 松井社長は海外留学を経て、建設設備会社の3代目として建築設備設計・施工の経験を積み、資格を取得した。8年前にIPインターフォンと出会い、日本のマンションにIPインターフォンが使われていないことから、この将来性に着目。海外ブランドのIPインターフォンの総代理店となり、代理店網を使って全国向けに販売を開始した。

 多くのマンションでは、オートロックによって住人の部屋の開閉がされている状況だ。そこで松井社長は「当社のインターフォンでは、顔認証によって部屋の開閉ができます。鍵を忘れたり紛失したりして部屋に入れなくなるリスクもなくなります」と、自社のインターフォンに顔認証を採用しているメリットを強調する。

 「当初は、指紋認証を使っていました。その後、北海道地区で経験した冬に手袋を取って認証する不便さや、コロナ禍によって非接触が求められたため、顔認証を採用しました。現在、同じ顔認証によって宅配ボックスを開けられるなど、他の機能とも連携させる予定です。そうすることによって物理的な鍵をなくせるため、入居者の利便性だけでなく、管理会社の鍵管理の負担も軽減できると思います」

 住人だけでなく、マンションの管理会社にも重宝されているという。

 「管理しているマンションにわざわざ行かなくても、管理会社は居住者の入退去をクラウドサービスによって確認できるので、鍵の回収の手間が要りません。インターフォンを操作した人物の履歴が全て記録されますから、セキュリティ上の安心感も高まりました。結果この3年間で、IPインターフォンの売れ行きは毎年倍増しています。以前は既存のインターフォンを交換することが多かったのですが、いまは新築で導入するのと半分ずつになり、現在は全国のマンションやオフィスなど約1800棟、2万室に導入されています」

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