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『コロンブス』で物議のミセス、キャンペーン参加見送りは妥当? 日本コカ・コーラの判断に疑問を覚えるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月7日 15時0分

『コロンブス』で物議のミセス、キャンペーン参加見送りは妥当? 日本コカ・コーラの判断に疑問を覚えるワケ

日本コカ・コーラ、Coke STUDIOキャンペーン対象商品の一部

 ユニバーサル ミュージックは7月25日、所属アーティストのMrs.GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)が、日本コカ・コーラのキャンペーン「Coke STUDIO」への参加を見送ると発表した。日本コカ・コーラとの協議でやむを得ず決定したという。

 Mrs.GREEN APPLEは、楽曲『コロンブス』がCoke STUDIOのCM曲に採用され、6月3日からテレビCMとして放映していた。ところが、12日に公開したミュージックビデオに「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」(ユニバーサル ミュージックのプレスリリース)として、13日に公開停止を発表。それを受け、日本コカ・コーラもCMの放映を取り止めた。

 ただ、Mrs.GREEN APPLEがCoke STUDIOキャンペーンに参加しないとまでは発表されておらず、1カ月以上もたってから参加中止が決まったことになる。どうして、タイムラグが生じてしまったのか。

 Coke STUDIOキャンペーンは、6月3日から9月1日まで開催しており、対象の製品を購入してポイントをためると、10月19~20日にさいたまスーパーアリーナで開催予定であるライブの招待チケットや、その他賞品が当たるというものだ。Mrs.GREEN APPLEのファンの中には、どうしてもチケットを手に入れようと、コカ・コーラ製品を“大人買い”した人も少なくないという。

 日本コカ・コーラは参加見送りに伴い、関係する商品について相応のデジタルポイントに替えると補償策を発表している。しかし「ポイ活」は「推し活」に等しい価値をもたらすものではない。ポイ活は金銭の代用だが、推し活は金銭で代えられない体験を重視するものである。ファンを置き去りにして、自社の利益を追求したと見られても仕方ないだろう。

 日本コカ・コーラのような、広報・宣伝が巧みでユーザーとの双方向コミュニケーションに長けた会社にしては、珍しい手抜かりではないだろうか。どういった経緯があったのか。取材した。

●「迷惑をかけて申し訳ない」の一方で「楽曲に問題はない」

 Mrs.GREEN APPLEは2013年に結成。2015年にメジャーデビューを果たし、日本レコード大賞を受賞したり、NHK紅白歌合戦へ出場したりと、今や国民的なバンドとなっている。中心メンバーで作詞・作曲を手掛けるボーカルの大森元貴氏は、世界的にヒットしたアニメーション映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌『私は最強』の提供者でもあり、音楽業界での評価の高さがうかがえる。

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