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『コロンブス』で物議のミセス、キャンペーン参加見送りは妥当? 日本コカ・コーラの判断に疑問を覚えるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月7日 15時0分

 ミュージックビデオは、メンバー3人がコロンブス・ナポレオン・ベートーベンとみられる人物に扮し、500万年前の類人猿にピアノを教えたり、人力車をひかせたりといった荒唐無稽な内容を含んでいた。それを、アメリカ大陸に侵略してきた白人が、ネイティブアメリカンに、近代文明を上から目線で教えたり、奴隷のようにこき使ったりすることのメタファーとして解釈する人が出てきた。

 6月13日にMrs.GREEN APPLE公式Webサイトで、大森氏は次のように謝罪した。

 「類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました。

 しかしながら、意図とは異なる伝わり方もするかもしれないと思い、スタッフと確認し合い、事前に特殊メイクのニュアンス、衣装、演じ方のフォロー、監修をしていたつもりでおりましたが、そもそもの大きな題材として不快な思いをされた方に深くお詫び申し上げます。

 決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です」

●法令とポリコレは違う だからこそ、念入りになるべきだった

 なお、今回の騒動に音楽ファンは冷静であり、『コロンブス』騒動によってMrs.GREEN APPLEへの注目が高まり、その音楽性に触れる人が増えたことで、むしろ楽曲の人気が上がっている。ビルボード・ジャパンの7月24日付チャート「Hot100」では、Mrs.GREEN APPLEの楽曲が、100位以内に12曲もランクインしているほどだ。

 Mrs.GREEN APPLEは日本レコード大賞を受賞した2023年よりも、ヒットチャートをジャックしている現在の方が勢いがある。客観的に「今、最も売れている」といえる、絶好調のバンドなのである。

 それでも参加見送りとなったのは、恐らく「Mrs.GREEN APPLEのような差別的なミュージックビデオをつくるバンドを出すな」という、一部のポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)に敏感な人からの苦情が、しつこく寄せられていたからだろう。

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