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「IT多重下請け」が生まれた背景 フリーランスを守る、共同受注の強みとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時38分

「IT多重下請け」が生まれた背景 フリーランスを守る、共同受注の強みとは?

PE-BANKの髙田幹也社長

 フリーランスで活動するITエンジニアも一般的になってきた。一方で、IT業界には依然として「多重下請け構造」という課題が横たわっている。

 ChatGPTなどプログラミングコードも書ける生成AIが登場し、今後ITエンジニアという職種に、どんな影響を与えるのだろうか。

 関連記事【「ITの多重下請け構造は最悪」 エンジニアの“報酬中抜き”が許せないと考えた理由】に引き続き、フリーランスのITエンジニアと企業をつなぐエージェント事業を手掛ける1989年創業のPE-BANK(東京・港)の髙田幹也社長に、多重下請け構造が発生した背景や生成AIとエンジニアの関係について聞いた。

●フリーランスエンジニアの平均年収「765万円」 関東圏は?

 まず、フリーランスのITエンジニアを取り巻く状況を見てみたい。フリーランスエンジニア専用の求人案件検索エンジン「フリーランススタート」を運営するBrocante(東京・渋谷)が2022年5月に発表した資料によると、2021年のITフリーランスエージェントの市場規模は、前年比19.6%増の1039億円。年平均成長率(CAGR)は20~28%となり、2024年には2000億円を超えると試算している。

 フリーランス人材の数を見ると、2023年の34万6637人から2024年は41万5965人になるという。

 PE-BANKに所属するITフリーランスデータによれば、フリーランスエンジニアの2024年の年収は、関東圏で837万円、全国平均で765万円だ。国税庁が2023年9月に発表した「令和4年分(2022年)民間給与実態統計調査」によると、正社員で523万3000円、正社員以外では200万5000円となっている。プログラミングという特殊技能を持つフリーランスエンジニアの平均給与は、日本の全平均よりも高い。

●数字の明確化VS. ブラックボックス

 多重下請け構造の問題は、分かりやすく言えば、下請けが「ピンハネ」をされて安い報酬で多大な業務をこなすということだ。責任の所在が曖昧になる点も好ましくない。フリーランスのITエンジニアも同様の状況下にある。

 古くからある多重下請け構造の起源は、どこにあるのか。どのような状況からできたのか。髙田社長は「建物」に例えて、こう話す。

 「1つの会社で、一気通貫で建物を建てられる建築屋さんはほとんどいないと思います。基礎工事には基礎工事のプロがいて、壁や内装などのプロもいます。工程の中で、1人親方のような職人を雇う場合がありますよね。ソフトウェアの世界も同じです」

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