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「IT多重下請け」が生まれた背景 フリーランスを守る、共同受注の強みとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月14日 11時38分

 「これにはリモートワークが関係しています。リモートワークによって東京の仕事を、地方でもできるようになりました。東京の案件を地方に持っていった結果、地方に住む優秀な方が高い報酬を得られるようになればいい。そう思っているからです」

 このようにリモートワークの定着は、ITエンジニアにとって、都市部と地方の壁を取り除いてくれる働き方になりそうに見える。だが髙田社長は「そう簡単な話でもない」と話す。

 「エンジニアは、リモートでOKだと思っています。一方の発注者、プロジェクトマネジャーの中には『近くにいないと嫌』と思う人もいますね。リモートは認めるけれど、何かあった時には、すぐに来てもらえる場所にいないとダメという人も少なくありません」

 発注側を納得させるには、成功事例を積み上げて「この人はリモートでも大丈夫」と思うようになってもらうしかないと指摘する。

●AIが与える影響は?

 プログラミングコードを書ける生成AIも登場した。その観点ではフリーランスのITエンジニアにとっては、職を失いかねないマイナス要因に見える。

 「正直なところ、生成AIが今後、どのくらいの影響を与えるのかは分かりません。ただ、何か新しいものを生み出す時、あくまでもAIはそのサポート役だと思います。そのサポートのおかげで開発が速くなって、新サービスもどんどん生まれ、生産性が上がっていきます。現段階では、大手企業にPE-BANKの技術者が行って、社員の人たちと一緒に新しいサービスを作る段階なのだと思いますので、何とも言い難いです」

 AIによって「実際に生産性が上がる」という実感を伴った製品が世に広まらないと、どのような影響が出るのかを見極めるのは難しいようだ。

●稼働中のエンジニア8割が適格請求書発行事業者に

 フリーランスという立場で最近、大きなトピックだったのはインボイス制度だ。

 「かなり意識していまして、2023年の頭ぐらいからインボイス制度についてのセミナーを徹底的にやりました」

 PE-BANKの登録者で実際に稼働しているエンジニアは現在約2500人。その8割が適格請求書発行事業者になってくれたという。「想像以上の数字です。みなさん、税金を払おうという思いがあり、プロ意識が強いのだと思います」。

 エンジニアに代わり、消費税分を支払う仲介業者もいる。だが裏を返せば、それをできるだけの財力があるということだ。うがった見方になるかもしれないものの、それなりのピンハネをしてきたと表明しているようにも見えなくもない。

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