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地方中小企業でも、年収アップ! DXで間接業務を9割削減、“昭和の工場”を変えた若社長の大改革

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時35分

地方中小企業でも、年収アップ! DXで間接業務を9割削減、“昭和の工場”を変えた若社長の大改革

三共電機の三橋進社長

 「価格転嫁が難しい」「物価高騰でそれどころではない」──大手企業で“賃上げラッシュ”が進む一方、多くの中小企業に「賃上げの波」は及んでいない。そんな中、サプライチェーンに組み込まれている中小企業でありながら、社員の年収増を目指して懸命に取り組む企業が、愛知県稲沢市にある。

 管理職の平均年齢は39歳にして平均年収は820万円と、地方製造業として高水準を誇るその企業の名前は、三共電機。機械の自動制御に必要な「制御盤」の製造・販売を手掛ける。社長の三橋進氏は、約10年前に同社に入社し、5年前に2代目として、会社を父から継いだ。

 それからは社長自ら業務アプリを開発するなどデジタル化を主導し、残業時間を減らしながら社員数は1.8倍、売り上げは約1.5倍と急激な成長を遂げている。

 当初は「どうせ無理」と否定的な声が多かったという社内や、先代社長である父との“壮絶な親子喧嘩”を経て、どのように改革を進めていったのか。同氏が入社してからの10年を語ってもらった。

●間接業務を「9割削減」! パワハラ的“昭和の工場”を改革した2代目社長の奮闘

 学生時代に情報工学を専攻した三橋氏は、新卒で森精機に入社。ソフトウェア開発に従事していたが、5年目で退職した。

 「長女が2歳になったとき、父は私が2歳のときに会社を作ったのだと思い出しました。『生活を支えるのですら大変なのに、そんな時に会社を作ったのはどうしてだろう』と考えるようになり、会社を継ごうと思い至りました」(三橋氏)

 入社時に三橋氏は「中小企業でも、社員年収700万円」というインパクトある目標を掲げた。前職の平均年収や『会社四季報』の情報などを参考に定めた。当時は大企業でも見ないような水準だったが、実現していくために売上向上や効率化など5つの目標を設定し、取り組み始めた。

・売上拡大のためにさまざまな業種の仕事しよう

・技術力向上のために自己研鑽(けんさん)に励もう

・改善活動を当たり前に行おう

・効率化を図り無駄な経費を減らそう

・若手を育てて技術伝承しよう

 しかし、当時の同社は「パワハラ的な、いわゆる昭和の工場」だったと三橋氏は話す。離職率が高く、社内で人が集まれば悪口が始まるような、良好とは言いがたい雰囲気だった。「改革についても『社長の息子がなにか言っているけど、どうせ無理でしょ』という感じでした」(三橋氏)

●前社長の「うっかりミス」から始まったDX

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