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地方中小企業でも、年収アップ! DXで間接業務を9割削減、“昭和の工場”を変えた若社長の大改革

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時35分

 このように前社長含め、現場を離れる人もいたものの、新しいやり方に協力的な社員を巻き込みながら改革を進めていった。ソフトウェア開発の経験を持つ三橋氏あってこそ推進できたように思えるが、社内ではその属人化すらも解消するような流れが生まれている。

 20~30代の若手を中心に、IT未経験の社員が積極的に、デジタル活用できる仕組みづくりに挑戦しているのだ。製造部門の社員は、ローコードで支給品の検品に関するアプリを作成した。また営業部門の社員は、Excelに記入すれば取引先に注文書が飛ぶようなRPAを組んだ。会社としてこの流れを後押しするためにも、こうしたデジタル活用のためのリスキリングをしたり、効率化の成果を出したりした社員にインセンティブを用意している。

 社内の雰囲気は改善し、離職率は低下した。同社のデジタル化の取り組みを学びに訪れる人から「社員の皆さんがいきいきしている」と言われることがうれしいと、三橋氏は顔をほころばせる。

 2017年との比較で、社員数は31人から58人に。そのうち26人は主に家族の扶養内の年収を希望するパートタイマーで、彼らを除いた平均年収は450万円あまりだ。

 中小企業の平均年収は近年、400万円超程度で推移している。三共電機が高卒新人を積極的に採用してきた結果、パートタイマーを除く社員の平均年齢が32歳であることを加味すれば、450万円は地方の中小企業としては高待遇の類だ。そして冒頭にも紹介した通り、管理職は平均年齢39歳で平均年収が820万円となっている。これは2017年に比べて1.7倍の金額だ。

 今後は、業務上の手続きなどの自動化だけにとどまらず、製造業務そのもののデジタル化や自動化にも取り組む意向だ。「製造業は人手不足が最たる業種で、どんどん廃業していっていますが、サプライチェーンを下支えし続けられるように、さまざまな取り組みを考えています」(三橋氏)。その一つが、製造のデジタルツイン化だ。制御盤を自動で作れるよう、準備を進めている。

 「経営者でありながらエンジニアでもある私が、模範を示していかなければいけないと思っています。大企業の方に『あの中小企業でもできるんだから、うちでもできる』と思ってもらえるようなインパクトを作れるよう、努力していきます」(三橋氏)

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