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なぜ、スポーツは「推し活」の対象になったのか 試合観戦の枠を超えたきっかけは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時35分

 サッカー日本代表のYouTubeチャンネル「Team Cam」などはまさにその代表例です。

 動画は試合の数日後に公開されます。そこには選手が試合数日前から試合に備える様子や、食事の風景、ちょっとしたインタビュー、普段の選手同士の会話などに密着したものが取り上げられています。

 取材者が編集した言葉ではなく、生の声や表情、普段のキャラクターが映像を通じて見て取れるため、視聴者は「この人はこんな性格なんだ、面白い!」と、意外に感じたり、試合では見られない姿に興味をそそられたりするのが特徴です。

 また、チーム単位ではなく選手個人がSNSで発信するケースも多く見られます。現役の選手が、自身の練習風景や技術についてコメントするような動画もあれば、選手自らがプライベートについてさらけ出すようなものもあります。技術を追求する姿や、笑い話をする様子を見ていると、自然と個性も含めて選手そのものにハマっていく方もいるのではないでしょうか。

●コロナも要因? スポーツ観戦が推し活になるまで

 こうした取り組みの背景には、もちろんSNSの普及もあります。しかし、特にここ数年は新型コロナウイルス感染症の拡大によるところも大きかったといえるでしょう。

 ステイホームが叫ばれ、人々は外に出られず閉塞的になりました。スポーツイベントも軒並み中止になる中、さまざまな競技の選手が「自宅で手軽にできる運動」を紹介したり、ファンとのコミュニケーションを活性化する動画を公開したり、チャットを通じてファンとつながろうとするなどしてきました。直接ファンと関われない、ファンが試合会場になかなか足を運べない。このような状況を打破するために始まった取り組みが今、新たな情報入手源の確立に寄与しているといえます。

 チームや選手個人の発信によって選手の個性を見せることで、ファンに対し「裏側を見る楽しさ」だけでなく、イチオシの選手やチームを応援する、いわゆる「推し活」の楽しさももたらしています。

 Paidyが発表した「2023年みんなの推し活大調査」では「あなたが推しているジャンルを教えてください」という質問に、35%もの人が「スポーツ選手やチーム」を挙げています。

 近年認知されるようになった「推し活」という言葉を聞いて、アニメのキャラクターやアイドルを“推す”活動を想起する方も少なくないでしょう。しかしデータから分かるように、今やスポーツ選手やチームも推しの対象になっているのです。

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