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なぜ、スポーツは「推し活」の対象になったのか 試合観戦の枠を超えたきっかけは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月29日 7時35分

 では、そうした「スポーツの推し活」のきっかけは何なのか。ネオマーケティングによる「スポーツの推し活に関する調査」では「スポーツの推し活のきっかけ」を尋ねた問いに対し、20~30代においては「動画サイトでおすすめに流れてきて」「チームが発信しているSNSを見て」と回答する割合が大きく出ています。

 SNSやYouTubeを通した発信は、主に試合そのものに集中していたスポーツの楽しみ方を、試合の前後を含めより長い時間軸に広げているといえるでしょう。

●スポーツ観戦前後の体験が事業にもつながる?

 ここで一つ、「UXタイムスパン」という考え方を紹介します。UXタイムスパンとは、物事の体験には主に「利用前・利用中・利用後・利用体験全体」の4つの期間があり、期間によって異なる体験があるという考え方です。

 それぞれの期間における体験の姿は、以下のとおりです。

・利用前:実際に何かを利用する、体験する前の期間。下調べや他者から話を聞いたりするなどして情報を得たり、見聞きしたりした情報を基にこれから起こる体験がどのようなものかを想像する「予期的な体験」などです。

・利用中:実際に対象となる物事を体験する期間。対象に触れたり、その場にいる他の人とやり取りをしたりといった「瞬間的な体験」が主になります。

・利用後:体験したことを振り返る期間。起きたことを振り返るような「エピソード的な体験」が主になります。

・利用体験全体:これまでの多種多様な体験を回想する期間。複数回の体験を通して所感を得るなど、「累積的な体験」をします。

 これを、時間軸が広がっている「スポーツにまつわる体験」に当てはめて考えてみましょう。

・利用前:試合への準備の様子、選手が和む様子が動画で公開されるのを見る。試合を見ることもさることながら、推したい選手個人が試合に出ること自体を楽しみにする。引退した選手が開設しているYouTubeチャンネルで、今の注目選手やその技術・戦術を知ることで、次の試合で注目するポイントができ、楽しみになる。

・利用中:試合前から推していた選手が出てきて、その選手の一挙手一投足を応援する。注目していたプレーや技術が視聴でき、より楽しく、深く理解できる。

・利用後:チームや個人による試合へのコメント動画や、試合の裏側映像をみて、自分が見た試合をさまざまな角度から振り返る。引退選手が、試合を見た上で解説する動画を公開し、それを見て試合で使われていた戦術や技術を知る。同じ試合を見た人たちがSNSに投稿しているコメントを見る。

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