1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

スノーピークは株主に配慮していたのか MBO発表と上場廃止のタイミングに「疑問」あり

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月13日 8時30分

 また、2027年12月期には、2024年12月期に実施した施策が継続的に寄与することに加えて、新たにアパレル関連製品の強化やアパレル専門店舗の出店強化によって、売上高のさらなる成長を見込んでいるとされています。

 これに加え、2024年12月期から2028年12月期にかけて、店舗オペレーションなどを見直すことで費用の削減を見込んでおり、2024年12月期から2028年12月期にわたる各事業年度において大幅な増収増益を見込んでいます。

 本当に少数株主に配慮するのであれば、少なくとも2024年2月に実施した2023年の通期決算発表のタイミングで、短期的な利益を追うのは難しいものの、中長期的には増収増益を見込んでいることを少数株主に伝えていくべきだったと感じています。

 そして少数株主と対話しながら業績回復に向けて経営をしていくのが上場企業の責務でもあるはずにもかかわらず、初めからそれを放棄していたように見える点が非常に残念でした。

●別れても好きな人

 スノーピークは今やキャンプをしない人たちにも知られており、ファンの多い企業であると感じます。そのためスノーピークの少数株主の中には、ファンとして応援してくれている個人投資家、いわゆる「ファン株主」もかなり多かったと推察します。

 そうした少数株主に配慮したという姿勢は示しつつも、結局はきちんとした対話をすることなくMBOを行い、株式の非公開化を行ったことで、結果的には少数株主がないがしろにされてしまったように思えて残念でした。

 きちんと少数株主と対話を行い、株式を長期保有するファンになってもらう。そして、企業価値を向上させることで、精神面でも経済面でも喜びを分かち合えたのではないかと思います。

 株式を非公開化させることで、スノーピークには消費者以外の声は届かなくなります。昭和の有名なデュエット曲「別れても好きな人」のように、後々にスノーピーク側が少数株主などの多様な人々が恋しくならないことを祈るばかりです。

(草刈 貴弘、カタリスト投資顧問株式会社 取締役共同社長/ポートフォリオ・マネージャー)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください