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「死んでくださーい」 フワちゃん的パワハラ上司を“制御”する、効果的な方法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月14日 6時0分

 それがよく分かる事例がある。2021年3月、厚生労働省が男性職員をパワハラで処分した。この職員は2017年、政策統括官付社会保障担当参事官室の室長者補佐だったが、その際に部下に対して「死ねっつったら死ぬのか」などの暴言を繰り返した結果、うつ病が発症して退職に追い込んだのである。

 「霞ヶ関もブラック化しているってのはよく聞くし、よくあるパワハラ不祥事じゃね」と思うかもしれないが、問題はこの職員が当時、部署内のパワハラ予防や相談を担当する「パワハラ相談員」だったことだ。

 ご存じのように、厚労省というのは何がパワハラなのかという基準を示して、民間企業などに情報提供をしている。そこの「パワハラ相談員」ならば知識的なことは全て頭に入っている。どういう精神状態で上司がうっかり暴言を吐いてしまうのか、という傾向も分かっていただろう。

 しかし、やってしまう。植木等の「スーダラ節」の歌詞にあるように「わかっちゃいるけどやめられない」のが、暴言パワハラの恐ろしいところなのだ。

●「暴言」を吐く人を制御する効果的な方法

 では、このように「暴言が悪いことはよく分かっているけれど、つい部下に“死ね”とか言ってしまう」人たちをどう制御すればいいのか。

 いろいろな考えがあるだろうが、筆者は「プライドを傷つける」ことが、実は効果的ではないかと思っている。

 具体的には、このような暴言をした人に対して「パワハラを行った」「暴言を繰り返した」などの表現を使うのではなく、いい大人が絶対に呼ばれたくないような恥ずかしい名称を付けるのだ。

 例えば、「中年イキリ」「昭和ギレ」「Vシネ的オラつきおじさん」なんて感じである。

 こういう言葉が社会に普及すれば、暴言を吐くようなパワハラ上司は激減するはずだ。

 組織人として「失うもの」が大きすぎるからだ。どんなに仕事ができても、どんなにピカピカな社歴であっても、「部下にオラついた」という暴言キャラが呪いのように付いてまわる。「部長、今はイケオジ気取っているけど昔、中年イキりで処分されたんだって」「ダセエな、元ヤンとかなの?」なんて社内でバカにされ続けるのだ。これは耐え難いだろう。

 「いやいや、そんなバカな作戦がうまくいくわけがない」と思うかもしれないが、実はこういう「プライドを傷つける」という方向で、暴言ならぬ暴走行為を減少させたモデルケースがある。

●暴走行為を減少させたモデルケース

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