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マック、モス、セブンも……。あらゆる分野で「店舗の小型化」が進んでいる、3つの理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年8月21日 10時40分

 ただ、「店舗の小型化」は悪い話ばかりではない。かつて日本の外食、小売を大きく成長させた「ドミナント戦略」を期間限定ではあるが、復活させられるからだ。

●セブンや小僧寿しも展開した「ドミナント戦略」

 ドミナント戦略とは、同一商圏内に同じ店をたくさん出店すること。顧客のロイヤリティを高めることで、かつてセブンや小僧寿しがそれで全国にすさまじい店舗網を拡大した。

 が、これも人口減少で完全に破綻してしまった。消費者が減っているので同一商圏内に店を乱立させればカニバリが起きる。しかも、低賃金バイトも奪い合いになるので店が増えるほど現場が疲弊していくのだ。

 というわけで、コンビニ各社は近年、このドミナント戦略をそこまでゴリゴリ押し出さなくなってきていたのだが、ある「小さな店舗」の大成功を受けて、再び注目を集めているのだ。

 それは「まいばすけっと」だ。

 同店はイオングループが首都圏を中心に展開している「都市型小型スーパー」で、コンビニのある地域に積極的に出店して客をごそっと奪い、時には撤退まで追い込むこともあるため、「コンビニキラー」の異名をとっている。

 実はこの「まいばすけっと」、人口減少社会にそぐわない右肩上がりの大量出店、つまりはドミナント戦略を続けているのだ。

 まいばすけっとの公式Webサイトによると、2024年2月29日時点で1119店舗となっているが、8月23日には東京、千葉、神奈川に計4店舗をオープンし、1171店舗となる。半年足らずで首都圏に50店舗も増やしているのだ。

 直近3年のセブンの店舗数を見ると、1年で160~175店舗増やしているがこちらは全国である。首都圏で「コンビニキラー」のドミナント戦略がいかに猛威を振るっているのかは想像できよう。

●「まいばすけっと」が次々と出店できるワケ

 なぜここまでイケイケで出店できるのかというと「小さな店」だからだ。一般的なスーパーならば、レジ打ち、品出し、生鮮食品売り場の担当者、さらには駐車場の誘導員や警備員などそれなりにスタッフがいるが、「まいばすけっと」の場合は店の広さにもよるがコンビニと同じく2~3人で済む。

 コンビニと人件費はそれほど変わらないけれど、スーパーなのでコンビニよりも品ぞろえはあるし、日々の食材などが買えるので便利。しかも至る所にあるとなればロイヤリティが高まるのは当然だ。

 もちろん、これはスーパーという「毎日買い物をする店」だから成立するドミナント戦略である。しかし、消費者不足に苦しめられているコンビニや外食チェーン、ファストフードなどからすれば、「ウチもまねできないか」と考えるのは自然の流れだ。

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