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そのDXツール、本当にいります? “情弱” 経営者にならないためのコツとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 11時15分

 ツールに応じて人が変わっても仕方がないと思います。例えば今BI(ビジネスインテリジェンス)ツールも人気ですが、これも大半の人が、それまでExcel(エクセル)でできていたことをクラウド上などでやっているだけに過ぎません。もちろん、データの整形やAPIとの連携面でエクセルより優れている点もあります。中には高度に使いこなせている人がいることも確かです。ただ大半の企業担当者が、これらのツールをエクセル以上に使いこなせているかは疑問です。

 そしてこれはITやDXツールに限らず一般論としての話ですが、営業する際は、リテラシーの高くない人を狙いにいった方が効率的にものを売れるといった側面があります。自社の製品をいかに上手に使ってくれるかどうかではなく、いかに高いお金を出して買ってくれるかが企業にとって大事な面もあるからです。特にスタートアップにおいては、早期に高い売り上げを上げて、いち早く上場することが一つのゴールですから、こうした思惑に対しても企業の経営者や担当者はきちんと向き合う必要があります。

――企業はどのようにDXを進めるべきなのでしょうか。

 例えば「紙をPDF化しましょう」というのは分かりやすいDXだと思います。紙を使わなくなった分だけコストが減る単純な話だからです。こういったフィジカルからデジタルになるものはうまくいくと思います。音楽業界を見てもレコードがCDになったことによって流通量が爆発的に増えた過去の例からも明らかですよね。

 問題は、デジタルから別のデジタルになる場合です。企業の中には、あるツールを導入して5年の償却期間が終わったから、機械的に新しいツールを導入しているところもあります。「最新のツールを取り入れておけば、とりあえずうまくいくだろう」という考えで進めているのかもしれませんが、現場の担当者や顧客にとって、それが利益になっているかというと疑問です。

 5年かけてやっと従業員や顧客が習熟してきた頃には、また新しいツールが入ってきて……の繰り返しになってしまい、いつまで経っても生産性が向上しないなんていう状況はザラにあります。ベンダーも自社製品をとにかく売りたいので、こういった事態に陥る企業が珍しくありません。

――「金儲(もう)けをしたい、売り上げを伸ばしたいベンダーの人たち」に対するリテラシーを、いかに上げるかが課題と言えそうです。

 例えば広告の世界だと、クロスメディアやトリクルメディアと言ってみたり、バーティカルと言ってみたりというように、これまでにもあったものを別の言葉に言い換えているところには注意したほうがいいですね。ベンダーは、しょせんベンダーの都合でしか動いていない部分が大きいと思います。

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