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そのDXツール、本当にいります? “情弱” 経営者にならないためのコツとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 11時15分

 例えばベンダーの世界で頂点にいるのが米Microsoft(マイクロソフト)だと思うのですが、ウィンドウズに一緒に入っているソフトが全て役に立つかと言われればそうではありません。アップデートを押し付けられることによって使い手側が混乱することも珍しくありません。これはマイクロソフトに限らず、業界全体に恐らくそういう側面があります。使いようによっては役に立つのですが、ベンダーの推奨する利用方法が、いつも自分たちの企業にとって役に立つものであるとは限りません。

 これは個人的な意見なのですが、ほとんどの人がやっている分析は、エクセルとGoogleの無料サービスでできることしかやっていないのではないでしょうか。例えば数万件程度のデータであれば、高いBIツールを使わずとも、エクセルで管理できるのです。

●B2BとB2C DXによる変化余地が大きいのはどっち?

――ワークマンのように「エクセル経営」と称して、従業員にエクセルの活用を徹底させている企業もあります。

 ベーシックなものを、きちんと徹底することが大事だと思います。例えばリクルートが何で強いかというと、営業を徹底しているからです。経営者にとって、面白い会社にしたい、強い会社にしたいなど、企業によって目指したいいろいろな方向性があると思います。しかし、別にITに強くなろうとしていない会社がむやみにITに投資をしても、あまり利益にならないのではないでしょうか。それよりは、自社の基礎的なところに投資したほうがよっぽど効率的だと思います。

――デジタルからデジタルの移行にさまざまな罠(わな)があることは分かりました。一方で、人手不足の問題をDXで穴埋めする動きはどうでしょうか。

 B2Cではあまりうまくいっているようには思わないですね。例えば飲食点で最近見かける配膳ロボットも、よく渋滞している印象です。スーパーの無人レジもこうしたDXの取り組みだとは思いますが、結局無人レジの使い方が分からない人への説明員を常設しています。僕からみると、説明員がレジ打ちをしたほうが早いのではないかと思います。全体では無人レジでレジの設置台数が増えた分だけ多少は効率化できているのかもしれませんが、その分伸びた売り上げが、無人レジの導入コストに見合っているのかは疑問ですね。

――Amazonの物流倉庫のように、B2Bではうまくいっている事例もあると思います。

 B2Bの現場でも、倉庫のように動線を明確にルール化できるところはうまくいくでしょう。ところがB2Cではそんな簡単にはいかなくて、例えば薬局の棚を無人化しようとしてもできないと思います。どの薬がいいのか聞いてくる人は絶えずいますし、説明する人も必要になります。

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