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そのDXツール、本当にいります? “情弱” 経営者にならないためのコツとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月25日 11時15分

 B2Cの分野では、あのGoogleでも無人化まではできていません。例えばGoogleでは不適切なコンテンツのフィルターがありますが、あれは最終的には人による目視でフィルターを掛けているそうなのです。ある程度の部分はAIなどで機械化されていますが、最後は人がやっています。それこそGoogle検索は四半世紀以上続いている本業ですが、それでも完全に機械化ができていないところを見ると、B2CのDXの難しさがうかがえます。

 B2CでDXがうまくいったケースには、Suicaの例があると思います。ただ、あれもB2Bの倉庫の例のように、多くの利用者が同じ動きしかしないからこそうまくいっているところが大きいと思います。モノやヒトの動きが制御できる分野ではDXはうまくいきやすいと思うのですが、制御できないB2Cでは難しい側面があると思います。それだったら従業員の基礎を徹底して教育したほうが、投資効率がいいのではないでしょうか。

 ワークマンのように、エクセルだけを徹底して使い倒す方針は本質を捉えているように思います。例えば、Google検索の機能を全て使えている人って、100人に1人ぐらいしか僕はいないと思っています。Google検索って、拡張子を指定した検索や完全一致検索、部分検索も実はできるのですが、そこまで使いこなせている人は希少です。でもそれだけで情報収集の精度は5倍も10倍も変わってきます。

 より日常の業務でも、コピーの「Ctrl+C」や貼り付けの「Ctrl+V」などのショートカットキーをどれほどの人が使いこなせているのか疑問です。下手なDXツールを導入するのではなく、こうしたPCの使い方の基礎的な教育をしたほうが効率的なのです。

――DXの世界でも、やはり基礎が大事ということですね。

 そうなんですが、それはベンダーや従業員の側からしても面白くないわけですよ。クロス統計一つをとっても、本来であれば正規分布が成立する条件などを勉強すべきなのですが、従業員にとっては面白くありません。それだったら、高いツールに数字を入力するだけで華やかに結果が出てきたほうが楽しい気持ちは理解できます。

●売り上げが上がればコストも上がる

――企業の経営者や担当者は、どんな姿勢でDXを考えていけばいいのでしょうか。

 多くのものは、売り上げは上がる一方、コストも上がるようにできていると思います。そうでないと、ベンダーの売り上げにつながらないはずですので。そして、大半のものはタダでできてしまう気がするんですよね。例えばグラフィックツールだったら別にAdobe製品を使わずとも、Figmaでできると思います。調べ物もGoogleで大半のことができます。広告はタダでは打てませんけどね。

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