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なぜ「魚肉ソーセージ」が人気に? 昭和のスター商品が再ブレークのワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月11日 9時20分

 このような災害が発生すると必ず起きるのが「食料の買いだめ」だ。筆者は南海トラフ地震臨時情報が出た後、近所のスーパーに行ったら、水やカップ麺をカートに山盛りで購入する人々を多く見かけた。今問題になっている米不足も、スーパーやディスカウントストアでまとめ買いをする人が増加したことも一因と言われている。

 このように消費者の「食料備蓄志向」が強くなった時というのは「常温保存」のものがよく売れることは言うまでもない。スーパーで冷凍食品を山ほど買い込んでも、これまでの巨大地震や台風を見ても分かるように、被災地は停電をする可能性が高いため生鮮食品や冷凍食品は保存が難しいのである。

●「再ブレーク」に最も影響を与えたもの

 そこで注目されるのが「魚肉ソーセージ」だ。日本缶詰びん詰レトルト食品協会によれば、魚肉ソーセージは高温高圧にて加熱殺菌しているので製造後、常温で90~150日間保管できるという。中には技術の進歩でそれより日持ちする商品もあるというので保存食にもってこいだ。

 しかも、カップ麺やレトルト商品の場合はお湯や加熱が欠かせないので、ガスコンロや水が必要だが、魚肉ソーセージはそのまま食べられる。非常用持ち出し袋の中に束で入れておくだけで、有事の際に飢えをしのげる優れものなのだ。

 このように魚肉ソーセージの魅力が注目されつつあるわけだが、実は今回の「再ブレーク」に最も影響を与えたものは別にある。それは「健康志向」だ。

 日経POS情報の4月の売れ筋ランキングを見ると、上位15品目のうち10品目が「栄養機能食品」や「特定保健用食品」なのだ。

 昭和生まれのおじさん世代の中には、魚肉ソーセージに対して「添加物も入っていて体にあまりいいものじゃないけれど、うまいし安い」「酒のつまみにもちょうどいい」なんて感じで、ちょっとジャンクなイメージを抱く人もいるだろう。

 しかし、それはもはや遠い過去の話。「健康食品」という評価が徐々に広まってきており、それが血圧や中性脂肪などの数値を気にするシニア世代や働き盛り世代から支持されている。こうしたことも、今回の「再ブレーク」要因の一つとなったのだ。

●トクホを取得した魚肉ソーセージも

 そんな「魚肉ソーセージの健康食品化」という現象の中でも、最先端を走っているともいうべきものが2024年2月にマルハニチロから登場した。特定保健用食品、いわゆるトクホを取得している「DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)」である。

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