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なぜ「魚肉ソーセージ」が人気に? 昭和のスター商品が再ブレークのワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月11日 9時20分

 この商品、実は他の魚肉ソーセージはもちろん、他のトクホ商品とも一線を画すかなり異質な存在だ。それはパッケージに大きく掲げられたこの言葉を見れば分かっていただけるのではないか。

「日頃の運動とDHAおよびEPAを含む健康的な食事は、将来、心血管疾患になるリスクを低減する可能性があります」

 カンのいい方はお気付きだろう。そう、この魚肉ソーセージの表示の中には「病名」が入っているのだ。これは「疾病リスク低減表示」と呼ばれるもので、これまでは、基準が設定されている骨粗しょう症のリスク低減(カルシウム)以外は認められることがなかった。

 例えば、サントリーの特定保健用食品(トクホ)「特茶TOKUCHA」を見ていただきたい。こちらには「脂肪を減らす力を高め、体脂肪を減らすのを助ける」とある。コカ・コーラ社の「からだすこやか茶W+」も「脂肪の吸収を抑え糖の吸収を穏やかにする+内蔵脂肪を減らすのを助ける」といった感じで、消費者に対して、あくまで「健康を補助する」という印象を与えるにとどめている。

 しかし、「DHA入りリサーラソーセージω」のパッケージには「心血管疾患」という病名が大きく表示されている。つまり、この魚肉ソーセージは日本で初めて個別審査型で「疾病リスク低減」という表示を国が認めたエポックメイキング的な健康食品なのだ。

●なぜ病名表記が可能になったのか

 なぜこんなことが可能になったのか。マルハニチロの福田副部長は、商品開発の経緯をこう述べる。

 「もともと弊社には2005年に魚肉ソーセージで初めてトクホの認可を取得し、現在も発売中の『DHA入りリサーラソーセージ』という商品があります。この商品は、血液中の中性脂肪値を下げる効果が期待できるトクホです。その後、研究を重ね、DHAには脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを低減させる可能性があることが分かり『DHA入りリサーラソーセージω』の発売につながったのです」

 とはいえ、先ほども説明したように、日本の食品行政では「病名」をパッケージに表示することにはかなり慎重なはずだ。病気に何かしらの影響を及ぼすのは、食品ではなく「医薬品」だからだ。そんな高いハードルをクリアできたのは、意外にも医療側からの「理解」だったという。

 「消費者委員会で審議をされる専門家の方々が、DHAが非常に健康に良いものだと認めてくれていることに加えて、心血管疾患の権威でもある医師の方々からも太鼓判を押してくれたことが大きいです。さらに、このようなエビデンスのしっかりとした健康的な食品をもっと開発してほしいというありがたい言葉をかけてくださる方もいます」

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