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経理はもう、AIに仕事を奪われ始めている では、生き残るため何が必要か?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月1日 6時15分

経理はもう、AIに仕事を奪われ始めている では、生き残るため何が必要か?

(提供:ゲッティイメージズ)

 経理業務に関連するテクノロジーは、帳簿を管理するERPや会計システムを中心に、さまざまなアプリケーションやツールが提供されています。近年は徐々に、AIを実装しているものが広がりつつあります。

 経理は「AIによってなくなる仕事」として頻繁に挙げられる、AIによる変化の影響が大きい職種です。また、常に人材不足の職種の一つであり、ハイクラスだけでなく中堅クラスの人材も転職が活発化しています。こうした状況下において、スキルが低い経理人材の生産性をAIが高める可能性があることは、大きな意味を持ちます。

 今後はAIの活用領域が広がり、AI活用の巧拙が企業競争力に及ぼす影響は大きくなると予想されます。AIを使いこなす経理人材のニーズも高くなるに違いありません。

 連載「シン・経理組織への道」の最後となる本記事では、経理業務におけるAIなどの最新テクノロジーの活用の現状と展望について解説します。

●経理業務におけるAI活用の現状

 デロイト トーマツ グループが、プライム市場に上場している企業を対象に実施した調査の結果は、経理に携わる人にとって少しショッキングなものでした。全体の3割を超える回答者が、生成AIの導入によって人員の配置転換を行ったと回答し、そのうち、経理財務部門の人員を削減したという回答が30.1%で、他部門を抑えて最も高い数値だったのです。

 現場は否定的に捉えがちな人員削減ですが、図1のようにデジタル化を推進して、スコアキーパー寄りの業務に携わる工数(人)を削減し、より付加価値高い業務へリソースをシフトさせようとしている経理部門は少なくありません。近年のハードウェアの処理能力の進歩とML(機械学習)やAIのような新しいテクノロジーによって、情報処理的な業務における生産性とスケーラビリティは桁違いに向上しており、これを経理業務に活用しない手はないのです。

 では、経理業務におけるAI活用の現状はどうでしょうか。日本CFO協会が2024年に企業の経理組織を対象に実施した調査では、経理業務にAIを活用している企業は13%、活用していない企業は87%。経理業務におけるAI活用の割合はかなり低い結果となりました。

 これには「そもそも経理部門に対するデジタル投資の優先度が低い」とか「新しいものにはすぐに飛びつきたくない」「同業他社の様子を見てから判断する」といったシステム導入において多くの日本企業に見られる傾向の他、「組織や人が保守的で今までの仕事のやり方を変えることに消極的」「経理部門はテクノロジーに対するアンテナが低く、AIの情報に疎い」など、さまざまな理由が考えられます。

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