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「本音で話せない職場」はなぜできるのか 管理職のある“勘違い”

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月18日 7時25分

「本音で話せない職場」はなぜできるのか 管理職のある“勘違い”

 近年、企業内の人事管理のさまざまな場面で、 対話的なコミュニケーションの重要性が着目されている。組織不祥事の防止も個別のキャリア支援も、その課題の中心には「対話」による解決の模索がある。

 本コラムでは、そもそも本音・本心で話し合う「対話」的と呼べるようなコミュニケーションが職場でどのくらい行われているのか、そして従業員が「本音を話せない」要因は何かということについて、パーソル総合研究所の最新の調査から定量的なデータに基づいて詳述したい。

●なぜ今、「対話」なのか

 「対話」の重要性が説かれている背景には、以下の組織についての課題感の上昇と、その解決策としての「対話」への期待がある。

 一つは「組織変革」のためだ。既存事業の成長が鈍化していく中、企業が組織変革や業務変革を狙うとき、「現状の何が課題なのか」「現在のボトルネックは何か」といったことについて、現場からの率直な意見交換が必須である。制度変革や方針伝達をトップダウンに進めるだけでは、組織の変化に限界が存在する。

 また、組織不祥事や不正事象が日々ニュースを騒がせている中で、現場で起こる不正を黙って見過ごし、正確な状況が上に報告されない問題が根本にあることも多い。実際、パーソル総合研究所が実施した「企業の不正・不祥事に関する調査」においても、風通しが悪く、属人思考(発言内容よりも誰が言ったか、が優先される風土)の組織風土が、不正リスクを高めていることが明らかになっている。

 次に「キャリア支援」の変化である。「キャリア自律」が多くの企業のキャリア支援のスローガンとなったように、キャリア施策は昇進・昇格というタテ方向の上昇を軸としたものから、個々のキャリアの方向性の違い(ヨコ方向の多様性)に寄り添うものへと大きく変貌を遂げた。

 そうしたキャリア施策の中でも、異動希望アンケートを取るような表面的なものではなく、上司とのキャリア対話やキャリア・コンサルティングといったコミュニケーション機会の拡充が進んでいる。そこでは、「人と話す」ことによるキャリアの自己認識の高まりや過去の仕事を振り返る効果が期待されているだろう。

 最後は、時代に即した「部下マネジメントの変革」のためだ。就業者意識やビジネスの変化に即した部下マネジメントが求められていく中で、世界的にも「対話型」のマネジメントを重視するトレンドが続いている。その具体的な表れとして、1on1などの定期面談・キャリア面談の機会を拡充する企業が増えてきた。そこでは、主に上司の対話への姿勢やスキル向上が求められることが多い。

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