住宅ローンで「2兆円目指す」 住信SBIネット銀はなぜ、大躍進しているのか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月14日 14時42分
取材に応じた住信SBIネット銀行の寺田隆宏執行役員
住宅ローン市場は、年間約20兆円の規模を誇る巨大マーケットだ。この中で、住信SBIネット銀行は急速に存在感を高めている。同行の住宅ローン実行額は、2023年度に1兆7000億円を記録。2024年度は2兆円を目指すという。
同行モーゲージプラットフォーム事業本部長の寺田隆宏執行役員は「2兆円の水準に達すれば、単独の金融機関としては業界トップクラス。市場の約10%のシェアを獲得することになる」と語る。
●オンライン割合は低下 住宅ローン躍進の背景に「意外な戦略」
ネット銀行という看板を掲げる同行だが、意外にもその成長を支える主力は店舗型の銀行代理業者だ。2015年に開始したこの戦略により、全国に約100店舗を展開。「2023年度の実行額は7000億円から8000億円に達した」と寺田氏は明かす。
販売チャネルの内訳を見ると、銀行代理業者が58%、直販(提携デベロッパー経由)が36%、オンラインが6%となっている。ネット銀行でありながら、実は対面チャネルも含めた総合的な戦略で成長を遂げてきたわけだ。
もう一つ、同行の躍進を支える柱が商品開発だ。団体信用生命保険の付帯条件の見直しでは業界に先駆けて全疾病保障を無料で基本付帯にした。さらに2023年8月には、業界でも珍しい借入期間最長50年の住宅ローンの取り扱いを開始。話題を呼んだ。「九州や沖縄では普通だった超長期ローンを、全国どこでも利用可能にした」(寺田氏)という。
ネットと対面、両方の強みを生かしたハイブリッドな戦略に加え、革新的な商品開発。この両輪が、住信SBIネット銀行の急成長を支えてきた。しかし、寺田氏は次なる成長戦略の必要性を感じていた。「これまでは主に商品力で成長してきたが、金利上昇局面を迎え、競合他社も追随してくる中、商品力だけでの差別化は難しくなる」
そこで同行が着目したのが、住宅ローン業界全体の効率性と利便性の向上だった。この新たな挑戦が、デジタルプラットフォーム「かんたん住宅ローン」の開発につながっていく。
●不動産業界に残る”紙”文化 DXを進めるための解決策とは?
寺田氏は、住宅ローンの手続きが、顧客にとっても不動産事業者にとっても非常に負荷の大きいものだったと指摘する。従来の方法では、紙の申込書への記入、書類の郵送、電話での審査状況確認など、負担のかかる作業が多く残されていた。
この状況は、単に不便であるだけでなく、業務効率の低下や人為的ミスのリスク増大にもつながっていた。特に、銀行への進捗確認に時間がかかるという問題が大きかった。
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