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オンワード樫山の「ニットシューズ」が10万足を突破 従来の“不満”を解消して「大人気」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月28日 8時10分

●医師と一緒に開発した靴もヒット

 総数でいうと販売期間が長いパンプスが最も売れているが、現在はパンプスとスニーカーが同じぐらい売れ行きが良く、季節製品のサンダル(7990円~)とブーツ(1万4990円~)も好調だという。

 スニーカーのカテゴリーで2024年に発売した「多機能ニットシューズ」(9990円)は、整形外科医師と共同開発した製品で、100人以上の医師の声を聞きながら開発したという。

 「昨今、アパレルメーカーが医療現場用のスクラブ(医療用白衣の一種)を発売するケースがあり、ファッショナブルで機能性が高い白衣の選択肢が増える一方で、靴の選択肢は少ないままでした。そこで、過酷な現場で働く医療従事者へ向けたニットシューズの開発にいたりました」

 病院の環境や医療従事者の働き方を踏まえ、濡れた床でも滑らないグリップ力の強いソールを採用し、手を使わずに脱ぎ履きできる靴とした。数カ所の医療学会でブースを出して宣伝したり、専門業者に商談したりする中で口コミが広まり、特に男性の医療従事者から支持を得ているという。

 「特に、黒いニットに黒いソールで製作したデザインは革靴の見た目に近く、スーツと合わせやすいということで男性から好評です。病院内だけでなく出張や外出の際も持ち運びやすいなど、用途の広さからも支持を得ています。医師以外の方にも購入されています」

 現在は、働く女性の声を受けてヒールのあるパンプスも開発している。さらに、来年の夏に向けてビーチサンダルの開発も予定しているそうだ。ビーチサンダルながらカジュアルすぎず、ラクに履ける商品を目指していると榎本氏は話した。

●試し履きの機会を増やし、購入につなげる

 販売方法に関しては、ECからスタートして徐々に店舗展開を広げていく施策を取っている。サンダルやスニーカーなどの商品と比較してパンプスはサイズ選びが難しいが、顧客がサイト上に投稿したレビューを読んで、別の顧客が購買を決めるという流れがあり、ECでも一定数の販売につながったという。

 「ニットシューズという新規性のあるカテゴリーながら、洋服も含めた公式EC全体よりも返品率が低いんです。『軽くて履き心地がいい』『0.5センチサイズアップしてちょうどよかった』などのレビューを多く投稿いただき、多くの方が購買の参考にされているようです」

 その後、オンワード樫山のブランドを扱うショッピングセンターなどの店舗で販売したり、ポップアップストアを実施したりして、試し履きできる場を増やしていった。現在は、販売できる店舗が増えたことから購入場所の割合は、7(リアル店舗):3(EC)になるという。

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