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美容室の倒産が増えているのに、なぜ「特化型店」は好調なのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 6時20分

美容室の倒産が増えているのに、なぜ「特化型店」は好調なのか

「特化型」の美容室が増えている、なぜ?

 帝国データバンクの発表によれば、2024年に発生した美容業(美容室)の倒産は8月までに139件に達した。2023年の同期間に比べて約1.5倍となり、年間最多だった2019年(166件)を大きく上回る勢いで推移している。

 背景には、新規開店の増加による店舗間競争の激化、美容資材の価格高騰、スタイリストの獲得難といったコスト増がある。

 そうした中、特定メニューの専門性をアピールする「特化型」で売り上げを拡大している美容室が目立ち始めている。

 そこで、全国に130店舗以上を展開する「ヘアカラー専門店fufu(フフ)」、幅広い髪質に対応する縮毛矯正「sins式髪質改善酸性ストレート」を打ち出す「sins(シンズ)」、アニメキャラの髪色再現に定評がある推し活特化の「Wille(ヴィレ)」の3社に、ビジネス戦略と反響を聞いた。

●低価格の白髪染めを提供し、130店舗超え

 「ヘアカラー専門店fufu(以下、fufu)」は、2014年に創業したFast Beauty(ファストビューティ)社(東京都港区)が運営するヘアカラー専門の美容室だ。同年10月に東京・中野に1号店をオープンし、2024年9月現在は全国に130店舗以上を運営している。

 同社の取締役CSO 原田悠氏は、ビジネスモデルの着眼点は「白髪染め」だったと話す。同社がターゲットとする30代後半以降の女性は、約3カ月に1回のカットに対して、白髪染めは月に1回が通常だ。その際、既存の美容室で染めるのは金銭的にも時間的にも負担が大きい。かといって自宅で染めるのは、手間がかかる上にキレイに染まりづらい。

 そうした既存サービスのネガティブポイントに着目し、美容師のカラーを低価格、短時間で提供するヘアカラー専門店を開業。リタッチ(伸びてきた根元部分だけを染めること)は3080円(初回のみ1980円)で、全体カラーでも60分以内で完了する。ブリーチを使用したハイトーンカラー(明るい色に染めること)など時間がかかるメニューは提供していない。

 筆者がfufuを利用した際、一連の作業が徹底して効率化されている点に驚いた。スタイリストが担当するのはカラー剤の塗布からシャンプーまで。ブローはセルフとなる。施術・待機・ブローのスペースが分けられており、顧客の動線もスムーズに設計されていた。

 この効率化を支えているのが自社開発の予約管理システムで、一切のムダを省いて運営するためのアルゴリズムが肝になっているという。

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