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美容室の倒産が増えているのに、なぜ「特化型店」は好調なのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月29日 6時20分

 志賀氏いわく、来店動機で最も多いのは「アニメ関連のイベントに参加するために、好きなキャラクターの髪色にしたい」だそうだ。ハイトーンカラーは染めたての色が長く継続しないため、イベントの直前に来店する顧客が多いとのこと。染めた髪色をキレイに見せるヘアアレンジを追加注文する顧客もおり、定期的な髪のメンテナンスとは動機が異なっている。

 現在、店舗全体の顧客のリピート率は約70%ほど。スタイリストによって異なるが、志賀氏の顧客は、ほぼ全員がアニメキャラクターの髪色をオーダーするという。ここ数年で「推し活特化」と打ち出す美容室が増えているが、パイオニア的存在であることは選ばれやすい要因になっていると志賀氏は話した。

●なぜ美容室の経営は難しいのか

 総合的な美容室と比較して、3社のような特化型はどのような特徴があるのか。効率化や差別化をしやすい、スタイリストの採用や教育をしやすい、単価を上げやすい、トレンドに左右されにくいなどである。

 とはいっても、単に「専門店である」だけで人気を獲得できたわけではない。独自の仕組みや技術で顧客満足度を高めたり、打ち出し方で引きつけたり、専門店の中でも差別化を図って集客に成功しているはずだ。

 一方、特化型のデメリットとしては、例えば「白髪が生えなくなる薬剤」や「酸性ストレートよりも魅力的な薬剤」が新たに開発されると、ビジネスが成り立たなくなる可能性がある、同じメニューを施術し続けるので業務に飽きが生じやすい、などもある。

 そもそも、なぜ美容室の経営が難しいのかという問いに対して、3社とも「フリーランス美容師の増加」を挙げた。現状の働き方や収入に不満を持つスタイリストが、「自由」や「収入増」を求めてフリーランスを選ぶ傾向があり、それに付随して業務委託で運営する美容室が増えているという。

 売れっ子スタイリストほど独立する傾向があり、魅力的な人材を確保できないことから集客が難しくなり、昨今の材料費の高騰なども相まって倒産に追い込まれる流れがあるようだ。

 上記を踏まえると、スタイリスト個人としてよりも、店舗としてブランド化しやすい特化型の3社が活況なのはうなづける。

(小林香織)

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