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閑散としていた場所が人気観光地に! パソナ「淡路島移転」と同時に進む、重大プロジェクトの中身

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 12時28分

 陽・燦燦は淡路島でパソナグループが展開するレストラン群でも、最も人気が高い店の一つだ。淡路牛や自社栽培の野菜の料理などが手頃な値段で食べられるとあって、女性客、インバウンドなど幅広い客層を持つ。

 筆者がランチタイムに同店を訪れた時には、店内で15分ほどのトランペット演奏がサービスとして行われた。演奏はホールスタッフが、給仕をする服装のままで披露。パソナグループでは、コロナ禍で演奏の機会を無くした音楽家たちを、社員として雇用して活動が続けられるように支援している。この店に限らずさまざまな楽器の演奏や歌が音楽家の社員によって、日々披露されている。

 Awaji Nature Lab & Resortでは、2022年10月に会員制農園「ウェルネスファーム」をオープン。同年11月には、「自然と暮らし研究所」を開設し、自然循環型のモノづくりを行う企業・大学・研究機関から研究所会員を募集して、セミナーや展示による情報発信に取り組んでいる。野菜の収穫体験、堆肥づくりといった農業体験を行うなど、日々の暮らしの中で実現するSDGsを目指している。

 2025年には、農業体験をしながら滞在可能な宿泊施設をオープンする予定だ。

●リノベした小学校で盛りだくさんのプロジェクト

 パソナグループは、2025年春をめどに、有機栽培による自然派ワインの生産を目指す「自然循環型ワイナリー」を開設。観光農園としても運営する計画だ。

 淡路島で運営する自社飲食施設や連携する水産加工業者からの食品残さを堆肥化して、ブドウを栽培する。ヤマブドウを改良した「りざん」「龍王」といった瀬戸内海沿岸に向いた特別な品種を採用した。

 アドバイザーには、ボルドーBTSA(醸造栽培上級 技術者養成校)でワインを学び、フランスにおける日本人個人ワイナリーのパイオニアである、大岡弘武氏を迎えた。大岡氏は2016年に帰国し、ブドウ育種家の林慎悟氏と岡山市に一般社団法人「おかやま葡萄酒園」を設立。耕作放棄地を活用した、ブドウ栽培からワイン醸造までを推進している。

 また、7月3日には、福島県会津美里町で、無農薬・無化学肥料の米栽培に取り組む、イタリア出身のタレント・モデルのパンツェッタ・ジローラモ氏のマネージメント会社「Carry On」と連携協定を締結。健康や観光に優しい有機米栽培を淡路島で実践する、農業教育プログラムを提供する。

 Awaji Nature Lab & Resortを統括する、パソナ農援隊・田中康輔社長は、「農業をもっと暮らしに身近なものにしたい」と、施設のミッションを力説。「例えば、チョコザップ(RIZAPグループが手掛ける、低価格のセルフ型ジム)は、行きにくかったジムを気軽に行ける場所にした。農業におけるチョコザップのような存在になることを目指す」と意気込んでいる。

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