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閑散としていた場所が人気観光地に! パソナ「淡路島移転」と同時に進む、重大プロジェクトの中身

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月30日 12時28分

 パソナグループでは淡路島に勤務する約300人の社員が、業務の傍ら自社農園で野菜を育てており、“ちょこっと農業”を実践している。

 そして、パソナグループは7月11日、最新の施設として、食と健康を追求する産業(同社ではウェルビーイング産業と表現)の人材創出拠点「としまスコーラ」をオープンした。

 としまスコーラは、閉校になった旧富島小学校をリノベーション。同社の淡路島事業ではのじまスコーラに次ぐ2つめの学校を改装した施設だ。

 このとしまスコーラでは、淡路島の農産物を加工し商品開発をする、同社の島内レストランのセントラルキッチンとしての機能を担う。また、動物性の商品を一切使わない、ヴィーガンスイーツを開発・製造する「ヴィーガンスイーツ研究所」を開設した。

 パソナグループの社員として働きながら、地域の資源や食文化から新たな価値を創造し、地域の魅力を発信する「地方創生料理人」1年制の育成プログラム、「Awaji Chef's Scuola(あわじシェフズスコーラ)」も開講した。

 としまスコーラには、一般の利用ができるカフェ「Cafe としま」を併設。同カフェは、Awaji Chef's Scuola受講生が、メニュー開発、仕入れ、接客などの店舗運営を一気通貫で学ぶ場所ともなっている。

 このように、さまざまな機能を持つとしまスコーラだが、パソナグループの新たなワーケーション拠点でもある。

●目を輝かせる若者

 筆者は、Awaji Chef's Scuolaの授業が開かれていたので、様子をのぞいてみた。

 その日の講義は「発酵」をテーマにしたもので、発酵・醸造料理の第一人者である前出の伏木シェフが座学・実習を行っていた。受講生は10人ほどいた。

 講義では、微生物が食材や心身に及ぼす働きを教える。実習では、発酵調味料の伝統的製法と、大量生産の製品のうま味の差を、実際の製品を受講生たちが味見をしながら検証する、といった内容だった。

 受講生の1人に話を聞いてみた。小間陽斗氏は大阪の出身で、大阪市内の辻学園調理・製菓専門学校を卒業。リゾート関連の会社を探していたところ、パソナグループに入社した。普段は、パソナグループが淡路島で経営するフレンチの「ラ・ローズ」に勤務しつつ、Awaji Chef's Scuolaで学んでいる。

 淡路島では農業体験ができることもあり、「自分で野菜を育ててみて、食材がどこから来ているのか、料理をつくるストーリーが学べるのが楽しい」と、目を輝かせる。山海の食材の宝庫と言われる淡路島で働くことで、生産者とのつながりができることに大きな価値を見出していた。専門学校では食材の背景までは深く教わらない。顧客と生産者の双方に向き合って、料理を振る舞える環境ができていると実感している。

 日本の食産業の未来を担う一流のシェフが、淡路島から生み出される日が来る予感が漂う。

 以上、パソナグループの淡路島における事業は、ワーケーションと6次産業化を軸に、さらなる進化を遂げている。閑散としていた西海岸は、人気の観光地として蘇った。子育て支援のインターナショナルスクール誘致や、シェフを育てる学校の開校により、人が学び育っていく環境を整えつつある。今後の動向を見守っていきたい。

(長浜淳之介)

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