アルゴリズムの「発展と影響」 現代のSNSマーケをどう変える?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月29日 6時30分
2000年代は米Amazon.comの研究者たちが発表した協調フィルタリングが存在感を強めました。商品の相関関係に基づくおすすめ──「Aを買っている人の多くはBの商品も買っています」的なもの──が、私たちの生活に浸透していきました。特にAmazonが扱う書籍のような趣味趣向が色濃く反映される商材との相性は抜群でした。
2010年代に入ると機械学習・深層学習の進化によって高度化が加速。YouTube、Netflix、Spotifyなどのコンテンツプラットフォームにおいて、ユーザーの行動データを分析して一人一人に合った「おすすめ」が提供されるようになっていきます。
そして、ソーシャルメディアの領域でその仕組みを効果的に活用したのがTikTokです。ユーザーの8割以上が、自分がフォローするアカウントで構成される「フォロー中」のタブではなく、「おすすめ」タブを見ていることが明らかになっています。これは多かれ少なかれ他のソーシャルメディアにおいても同様で、情報の差配(ディストリビューション)をアルゴリズムが担うようになっています。
ユーザー体験のパーソナライズ化は、今日においては自明の前提です。とはいえ、こうした技術が発展してきた必然性もあります。私たちの可処分時間は増えないのに対して、特にスマートフォンが普及しSNSが根付いたことで情報量が天文学なレベルで増大しており、それらを捌(さば)ききれないという純然たる「ペイン」の存在です。機械に代替してもらわなければ立ち行かないし、ユーザー自身がそのペインを解消してくれる利便性を渇望しているのです。
●アルゴリズムはSNSのかたちをどう変えるか
アルゴリズムが私たちのコミュニケーション体験を利便化する一方で、どんな技術にも付き物ですが、そのネガティブな側面についての議論も活発になってきています。
ソーシャルメディアの領域ではどうでしょうか?
日本ではあまり表立って議論されていないように見受けられますが、海外のジャーナリズムにおいてはSNSがアルゴリズム中心のものに変化したことを指摘する論調が見られます。もともと友達や知人とつながり、情報を共有するための場だったのに、その交流機能が薄れ、情報が届けられ続ける「メディア」としての色合いが強まりすぎているのではないかということです。
広告・クリエイティブのインディペンデントメディア「Contagious」の「Is this the end of ‘social’ media? 」(Contagious, 2023 Dec.) という記事では、インターネット文化に詳しい作家のコーリー・ドクトロウの「enshittification」という概念を引用しながら、「ソーシャルメディアがプラットフォームとして成熟段階に入ったことで、ユーザーとの関係性が変化しつつある」と述べています。
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