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HYDEコラボのブランド「WaRLOCK」の狙いは? 京都「100年企業」が着物アパレルに挑戦 

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月2日 12時0分

 コラボ浴衣は、金子画伯に付きっきりで制作した。当時はPCを使ったデザインはまだ一般的ではなく、浴衣の型紙をベースに、意匠の拡大と縮小コピーを繰り返して貼り付けていく作業が続いたという。

 「ある時、2週間くらい先生が京都に滞在して、制作に取り掛かっていた時期がありました。先生は完全に夜型の人だったので、とても大変だったのを覚えています。ブランドを立ち上げようとしたことを後悔したほどでした(笑)。ただ金子國義コラボのブランドは『金子國義のゆかた』だけでなく、2006年に『金子國義のきもの』として着物でも展開し、20年以上たった今でも続いています。金子先生が亡くなって以降も、息子さんであるSTUDIO KANEKOの金子修代表との親交が世代を越えて続いていて、ビジネスの常識では測れない関係になっています」(小田社長)

 金子画伯の出会いを元に、思わぬミュージシャンと長年にわたって親交することになる。それがHYDEだ。HYDEは生前から金子画伯にアルバムジャケットの制作を依頼するなど芸術家として深い尊敬の念を抱いており、金子修代表とも長い親交があった(関連記事【HYDEが心酔した画家・金子國義 美術を守り続ける息子の苦悩と誇り】を参照)。

 「HYDEさんに初めてお会いしたのは2002年の時です。ソロ活動で京都にお越しになった際に、金子修代表に紹介してもらいました。HYDEさんとは同年代ということもあり、以来20年以上にわたって親交が続いています」

 この出会いから、小田章とHYDEとの関係も始まった。例えばHYDEがステージ衣装として和をイメージした着物などを着用する際、舞台衣装も提供している。2021年7月31日と8月1日に京都市内の平安神宮で開催したライブ「20th Orchestra Concert 2021 HYDE HEIANJINGU」では、小田章がステージ上の着物を全面的に貸し出すなど、舞台衣装面を全面的にサポートした。この公演がきっかけで、新たな話が浮上する。

 「ライブが終わったころにHYDEさんが『もっと気楽に着れる着物みたいなのないの?』と言ったんですね。着物といえば、どうしてもハレの日に着る正装のイメージがあります。その概念を覆して、もっとカジュアルに着崩せる、和のコンセプトの衣服をやろうという話になりました。これがWaRLOCKの始まりです」

 WaRLOCKは「『和』をロックする」という意味を込めて命名した。これには「warlock」(ウォーロック)という欧州の物語で登場する男性の魔女キャラクターも重ねているという。一方で「warlock」には「戦争を封じるもの」という意味もある。

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