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HYDEコラボのブランド「WaRLOCK」の狙いは? 京都「100年企業」が着物アパレルに挑戦 

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月2日 12時0分

 「『WaRLOCK』の『R』の文字は反対(Я)にして表記しています。ここには『warlock』、つまり戦争反対という意味も込めています」

 WaRLOCKでは、着物という呉服を進化させることにこだわった。小田社長は、現在の着物への問題意識を話す。

 「着物は時代を経るにつれ『こう着なきゃいけない』といった作法がどんどん強くなり、現代的なファッションとは程遠い存在になってしまいました。着物はすっかりおしゃれなものではなくなり、現に普段着として着物を着る人はほとんどいなくなっています」(小田社長)

 伝統や作法が強調されがちな着物でも、実は意外と歴史がないものもあるという。

 「例えば、女性着物の『おはしょり』は、もともと屋内で裾を引きずって歩いていたものを、外出する際に裾を上げるために始めたものです。今ではこの『おはしょり』は何センチなど、細かい決まり事がありますが、実はこれらは明治期以降になって成立したものです」(小田社長)

 着物の着方一つでも、時代と共に移り変わる。ところが着物は決まり事の部分ばかりが強調されるようになり、進化するファッションからは取り残されているのだ。

 「私はこの令和の時代に、もう一度着物をファッションとして進化させたい思いがあります。これこそがWaRLOCKを通して挑戦したいことなのです」

 こうした課題意識から、WaRLOCKでは羽織(HAORI JACKET)と、袴(HAKAMA PANTS)を基軸にしている。一般的な着物は「オートクチュール」(高級仕立服)と呼ばれるもののように、上下共に全て同じブランドでそろえるのが一般的だ。だがWaRLOCKでは、セパレートに着崩したスタイルを提案している。例えば上半身はHAORI JACKETに対して、下はジーンズやジャージを履けばいいのだ。一方で上半身は、Tシャツやトラックジャケットなどに対し、下はHAKAMA PANTSといったように、和装で統一せず、他の衣装との組み合わせも志向している。こうした特徴から、WaRLOCKは着物を進化させたアパレルブランドのような形を取っているのだ。

 「あくまで和服をベースにした服装を、現代ファッションと気軽に組み合わせられるようにするのが狙いです。従って『和洋折衷』とは少し考え方が異なりますね。着物を令和の時代に進化させたらどうなるのか。これをコンセプトにしています」

 こうした狙いから、WaRLOCKでは今後、和装に関心のある外国人にも訴求していきたいという。

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