おにぎりの「ぼんご」が認めた「こんが」1日2500個を販売、それでも「なかなか儲からない」理由は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月28日 6時20分
「こんがを始めた目的は単に利益を上げることではなく、『ぼんごのおにぎりの魅力を広める』ことです。むやみに店舗を拡大する意思はなく、2号店目以降は商業施設や物件のオーナーから出店の打診をいただき、理念に共感してもらえる方とご一緒していったところ、たまたま現在の立地になりました」
とはいえ、やはり客層は大きく異なるそうで、蒲田店は近隣住民や学生、同エリアで働く人々、赤坂Bizタワー店はオフィスワーカー中心、羽田第3ターミナル店は国際線を利用する旅行者がほとんどだ。
最も売れ行きがいいのは羽田第3ターミナル店で、1日に2000~2500個が売れる。続く赤坂Bizタワー店は1日1000~1500個で、TBSに隣接していることからケータリング需要も高いという。ぼんごでは1日1200~1500個が売れると右近氏が話していたが、羽田第3ターミナル店はそれよりも多い。合田氏いわく、「おにぎり専門店としては、日本トップクラスの販売数ではないか」とのこと。
「当社では大田区にセントラルキッチンを設けて、そこで具材の仕込みを行い全店に配送する体制を取っています。おにぎりは注文を受けてからつくるのですが、2~3人の職人で効率よく対応し、行列になりづらいオペレーションに注力しています」
創業からしばらくは「卵黄の醤油漬け+肉そぼろ」が一番人気だったが、現在は「卵黄の醤油漬け+牛すき焼き」が最も売れているそうだ。2位は「卵黄+肉そぼろ」で、3位以降は「鮭」「筋子」といった定番が続く。
「狙い通り、牛すき焼きは外国人のお客さまにも大人気です。とある欧米の男性は、1日に7回も羽田第3ターミナル店に来店して、7回連続で牛すき焼きを購入されました」
●人気があるのにもうからない難しさも
もともと、こんが出店の目的は、ぼんごのおにぎりの魅力を広めて「おにぎり=ぼんご」の世界をつくることだったが、現在の目的は異なっているという。
「今の右近さんの夢は『おにぎりという食文化を2000年先まで人類に残していくこと』なんです。石川県中能登町の杉谷チャノバタケ遺跡で2000年前のおにぎりの化石(※)が発見され、それを知った右近さんが、『2000年前からおにぎりの食文化をつなげてきてくれた人がいたんだ』と感動して、『それなら私はこの先の2000年につなげていく役割を担いたい』と考えるようになったそうです」
そうした右近氏の変化を受け、合田氏の目標も変化。現在は「おにぎり=こんが」の世界を目指して、事業拡大に奮闘しているという。とはいっても、その背景には「こんがが広がれば、自然とぼんごの魅力も伝わっていく」という思いがある。
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