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日本の「すしロボット」が、なぜ海外で売れる? 高級すし店の大将が「無限の可能性」を感じたワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月31日 11時45分

日本の「すしロボット」が、なぜ海外で売れる? 高級すし店の大将が「無限の可能性」を感じたワケ

すしロボットのつくったシャリを、調整程度に握り直す有名店「はっこく」の佐藤大将

 今や全国に4000店以上あるとされる回転すし。最近は回転しない、直送レーンを使う店が増えているが、それらを含めて、国内では8000億円近い市場規模を誇る。

 近年は、大手チェーンの海外展開が進んできて、「世界の回転すし」へとパワーアップしつつある。

 このような回転すしの目覚ましい発展を支えるテクノロジーの一つに、自動でシャリを握る「すしロボット」がある。シャリ握りマシンとも呼べるすしロボットの発明なくして、回転すしの業態は成立し得なかった。回転すしの登場によって、庶民にとって特別な日にしか食べることができなかった、高嶺の花であったすしが一気に身近な存在になった。

 すしロボットのパイオニアにして、国内約8割という圧倒的なシェアを誇るのが、鈴茂器工(東京都中野区)である。

 しかも同社では、すしロボットにとどまらず、牛丼などの丼物に欠かせない「ご飯盛り付けロボット」、おにぎり向けの「おむすびロボット」といった米飯加工機器を次々に開発。大手チェーン「やよい軒」の無料サービスであるライスお代わりに使われるロボットも、鈴茂器工製が採用されている。

 2021年には飲食店向けのPOSシステムやセルフオーダーシステムを手掛ける、日本システムプロジェクト(東京都新宿区)を買収。ホールの注文や会計までをカバーするようになった。このように、鈴茂器工は外食、スーパー、テークアウト専門店、食品工場を支えている。

 鈴茂器工の米飯加工機器は、和食ブームを追い風に、今や世界約80の国と地域に導入されている。

●銀座の高級店とコラボ

 鈴茂器工は10月1日、東京・銀座の人気高級すし店「はっこく」にて、コンパクトな新型すしロボット「S-Cube(エスキューブ)」のメディア向け発表会を開催した。

 当該コラボイベントでは、鈴茂器工の鈴木美奈子社長と、はっこくの大将・佐藤博之が出席。

 エスキューブに惚(ほ)れ込んだという佐藤氏が、「銀座の高級すし屋では皆、これを欲しがるのではないか。私の写真を貼った“はっこくモデル”をつくってほしい」とまで発言。はっこくの酢飯を使って、エスキューブから出てくるシャリ玉にネタを乗せて、すしにして提供するパフォーマンスを行った。

 修業を積み、しかも高級店が連なる銀座で成功している店主の大将が、すしロボットを操る風景は何ともシュールである。

 エスキューブは特に海外の店に向けて、客席からすしの製造工程がよく見えるように、デザインにもこだわって開発したという。

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