「Aさんの意見は?」「いやー……」 上司の“自己満ファシリテーション”3つの特徴はこれだ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月21日 8時45分
「発言したいのなら、自分から手を挙げればいい」と上司は言うが、これでは健全な議論にならない。
全員が参加する会議なのだから、全員が意見を発言できる環境を作るべきだ。そのためには、発言しやすい雰囲気作りが重要である。
そして致命的なファシリテーションの特徴、第3は「結論ありきの進行」だ。
上司の頭の中ですでに結論が決まっているケースも多い。形だけ会議を開いて、メンバーの承認を得ようとするのだ。
このような会議では、メンバーは「どうせ決まっている」「発言するだけムダ」と諦めの気持ちを抱く。議論する意欲も失せてしまう。だから発言もしない。
本来の会議とは、メンバーの知恵を結集させ、より良い結論を導き出す場である。後述するが、「発散と収束」が基本中のキホンである。結論ありきの進行では、その機会を失ってしまう。
●「発散と収束」を意識せよ
ファシリテーションとは、メンバーの意見を引き出し、議論を活性化させ、より良い結論を導き出すスキルである。メンバーが活発に意見を出せない原因は、上司のファシリテーション力の不足にある。
では、どうすれば活発な議論ができる会議が実現するのか。効果的なファシリテーションには、「発散」と「収束」の2つのスキルが重要だ。
ファシリテーターは、まずメンバーのアイデアを思い切り発散させる必要がある。そのためには、メンバー構成にも気を配らなければならない。
同質の人ばかりを集めると、似たようなアイデアしか出てこない。これでは本当の発散にはならない。例えば課長ばかりを集めたり、同じ部署の人ばかりを呼んで議論しても、同じような意見ばかりが出るだけ。経営陣や、現場の第一線で働く人も呼ぼう。性別や雇用形態も違う人がいたほうが、多様な視点からアイデアが生まれやすい。
ただし、テーマに関してあまりにも無知な人がいると、不毛なアイデアが出てしまうので注意が必要だ。例えばSNSマーケティングがテーマなのに、そのことについて全く知識も経験もないメンバーがいると、単なる憶測(おくそく)や、印象論的な意見ばかりが出てしまい、収拾がつかなくなってしまうこともある。
●アイデアの発散に必要な「論理思考力」と「質問力」
「発散」させるには、ファシリテーターの論理思考力と質問力が不可欠だ。具体と抽象の往復運動を繰り返さないと、テーマに沿った意義ある発散は実現できない。
例えば「営業力を高める」というテーマで議論するとき、いきなり「オフィスをおしゃれにしよう」という意見が出たとする。確かに、快適な環境は営業成績に影響を与えるかもしれない。しかし、なぜそこにたどり着いたのか、論理の道筋が見えない。
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