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なぜ日立はDXブランドの“老舗”になれたのか? Lumada担当者が真相を明かす

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時29分

 Lumadaもローンチ当初はIoTプラットフォームとして打ち出していましたが、さらに顧客の課題や、やりたいことなどをプロトタイピングで検証しながら、いかにして具現化するかという仕組みでした。あくまで課題解決ドリブンです。何か定型のIoTプラットフォームを売るものではない点で、他社とは違いました。

――Lumadaでは2016年当時から、今に通じる課題解決ドリブンの発想や構想があったわけですね。

重田: 2016年当時は、オープンソースソフトウェア(OSS)やビッグデータ、AI活用を推進していた時代でした。新たに得られるデータから「こういう課題がありますよね。機器からこういうデータが上がってきますよね。このデータはこういう風に解釈するといいですよね」と言って、顧客に応じたソリューションを提供するという発想から始まりました。

 ただ、これは顧客ごとに一から組み立てるものではなく、日立のこれまでのユースケースやナレッジの中から、やりたいことに合わせて組み合わせて提供するものになっています。テクノロジーの引き出しをたくさん持っていても、正しい使い方が分からないと、顧客の課題を解決できません。その点、日立には使いこなしの技術がある。日立のこれまでのノウハウを、顧客の課題解決に積極的に生かすわけですね。

――この考え方は2016年から変わっていないのですか。

重田: Lumadaは時代の趨勢に合わせて変えている部分はありますが、大きな考え方は変わっていません。やりたいことの基本的な考え方、コンセプトは今とほぼ同じですね。そこから、われわれの得意な領域から重点的に進めています。

 Lumadaでは現在、約1400件のユースケースがあります。ユースケースは業界と課題別に社内で検索できるようにしています。例えば製造業のこういう業種の物流の課題だとしたら「こういうLumadaのソリューションがありますよ」と顧客に素早く提案できます。

 その後、顧客から、以前と同様の施策をして、うまくいかなかった取り組みを聞いていき、課題点を特定してクリアにしていきます。そしてそれに対して「こういう打ち手がありますよ」といったように、コンサルティング的な形で進めていくのが、Lumadaの一例だと思います。

――服で例えると、フルオーダーメードではなく、パターンオーダーメードのような感じですね。

重田: そうですね。オーダーメードで一品一品作っていると効率が上がりません。そこでコンポーザブル(構成可能)に部品化して進めています。できるだけ効率的に進めるために、2016年に「サービス&プラットフォームBU(ビジネスユニット)」を作りました。そのBU長が、当時専務だった小島啓二社長でした。Lumadaの立ち上げと同時に、組織に横串を通して社内の知見を集めたんですね。バラバラに顧客と対峙して、オーダーメードでやっていたらダメだし、一方で既製品の大量販売のような形にしてもダメです。当初から部品化して、コンポーザブル化して組み合わせてソリューションを提案するコンセプトにしています。

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