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なぜ富士通「Uvance」は生まれたのか サステナビリティに注力する強みに迫る

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時34分

 新型コロナウイルスは環境破壊によって生まれたという考え方もあります。2020年6月の世界経済フォーラム(WEF)でも「グレート・リセット」(大転換)が掲げられ、サステナビリティが議論の的になりましたつまりコロナによって「未来を脅かす問題が私たちの予想をはるかに超える形で起きている」という危機感がさらに高まりました。これがユーバンス誕生のきっかけにもなっています。ユーバンスは2021年10月に発表し、翌2022年に、正式な組織本部を立ち上げました。

――SXを前面に打ち出している点が、他社のDXブランドとの違いだと思います。ユーバンスは社内でどのように定義しているのでしょうか。

 実はユーバンスは、当社ではブランドとしては位置付けておらず、事業モデルとして打ち出しています。ユーバンスの定義としては、オンクラウドで標準アーキテクチャを採用したソリューションが提供されているものや、それによってグローバル展開できるものになっているかどうかなどを基準として、ユーバンスの事業を開発、拡大しています。

 この標準アーキテクチャは、広く普及している主要なクラウドプラットフォームに加え、世の中に先行するMicrosoft AzureやAmazon Web Services(AWS)、カナダの生成AIサービス「Cohere」(コヒア)との連携などです。これにより、グローバルに事業を展開する顧客にいち早く、優れたサービスを提供できます。

 ユーバンス事業の売り上げは、事業初年度の2022年度はもともと進めていた事業を基盤として2000億円でしたが、2023年度には3600億円と大幅に伸びています。今年度の売上高は4500億円以上を見込んでいます。

――ユーバンス事業の売り上げというのは、どのように区別しているのでしょうか。

 当社のグローバルソリューションビジネスグループが主体として進めている事業を、基盤として進めています。仮に各事業部門の取り組みをユーバンスと判断する場合は、その定義に当てはまるものであるかを精査し、それに該当する商談や案件をユーバンス事業売り上げに加えるようにしています。

●SXを掲げる利点

――ユーバンスのサステナビリティの定義は、どのように定めているのでしょうか。

 まず、当社でマテリアリティ(組織が優先して取り組んでいく重要課題)を経営層が定めていて、これに該当するものかどうかで判断しています。基本的には国連のSDGsなどの国際標準に準拠していて、ここから富士通らしさが出せる領域を重点的に定めています。

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