1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

NEC「ブルーステラ」誕生の舞台裏 コンサル人材を自社で育成する強みとは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時41分

 こうした過程で、まず当社の社員が顧客の課題を聞いて分析し、システムを構築していくわけですが、ブルーステラでは、ここでAIを活用しています。従来手法では、課題解決の過程で、何人ものコンサルタントやエンジニアが顧客から情報を聞き取り、設計していくことがほとんどでした。ブルーステラでは、生成AIを活用しながらデータドリブンに分析していくことで、提案までの時間圧縮と効率化を実現しつつ、構想を構想のままで終わらせない、実践につながるコンサルティングを提供しています。このAIを駆使できるトップデータサイエンティスト出身のAIコンサルタント100人を加えて、現在戦略コンサルタントは700人規模になっています。

 これ以外にも、共通テンプレートの採用、当社開発の「cotomi」をはじめとする、生成AIの実践的な活用を進めています。また、環境構築の自動化によって、以前は数日かかっていたサービス提供までの時間が半日に短縮できる事例も出てきています。

●生成AIがブランド創出の決め手に

――2023年から生成AIが急速に発展してきています。2024年5月にブルーステラを立ち上げた背景に、生成AIの進展が影響しているのでしょうか。

 大きく影響しています。当社はこれまでもコンサル起点の顧客課題解決を進めてきているのですが、それが生成AIの活用によって高速化できるめどが立った点も大きいです。生成AIによって、コンサル以外のプロセスも自動化と自律化が可能になってきています。そうすると「あとはどう型化するか」をブルーステラでは進めています。

 この型化の過程で、ブルーステラでは上流から下流までのオファリングの流れを「シナリオ」と呼び、類型化しています。シナリオは顧客の経営改革に刺さる普遍的なテーマになっているかどうか、再現性があるかどうかなどを厳格に精査しており、シナリオの洪水にならないように設計しています。

 現時点で8つのシナリオグループに分かれており、顧客に分かりやすく課題解決の道しるべを提供できるのがブルーステラの特徴だと考えています。

――社内で「DX人材」の育成を強化していると聞きました。NECはDXをどう定義していますか? ちまたではツールを導入したことやレガシーシステムの刷新(モダナイゼーション)をDXと呼んでいる例もよく聞かれます。

 当社では「新たな価値を創造する」ことをDXと捉えています。新たな価値というのは、当社からの提案などによって顧客の考え方が変わり、経営が変わることです。ですので、顧客がレガシーシステムを刷新したり、新たなツールを導入したりしただけではDXが完成したとはいえません。顧客の考え方が変わることによって、その後も経営改革が自発的に進む状態をDXと定義しています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください