プロレスのスーパースター中邑真輔に聞く 米WWEと日本の「ブランディング」の違い
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 10時16分
プロレスビジネスの課題は、若年層のファン獲得にある。今回の武道館大会では、小中学生の当日券観戦を無料とし、スマートフォン、携帯電話のみ撮影を可能とした。さらに1分以内の動画ならSNSへの投稿もできるようにしている。スマホがあればどこでも観られる配信環境で、SNS拡散による周知にも最大限に注力した形だ。プロレスリング・ノアの大会では以前から小中学生の入場料無料キャンペーンを実施していて、子どもや家族連れへの門戸を開いている。
ライブエンターテイメントビジネスではスマホ撮影やSNSへの動画アップを制限する興行が多い。その中で、投稿をOKとした今回の施策は思い切ったものといえる。それだけサイバーエージェントグループが本腰を入れているということだろう。まだ大会を見たことのない子どもや親に連れられた子どもというターゲット層が、無料観戦によってプロレスと出会い、共感して魅力を発信していく。既存ファンだけでなく、将来ファンになってくれるかもしれない潜在顧客層に向けたカスタマージャーニーを設計しているのだ。
●圧倒的なビジネスモデルを築くWWE
世界を見渡すと、プロレスで圧倒的なビジネスモデルを築いているのが、中邑選手の所属するWWEだ。ABEMA Primeが報じたWWEの2022年の収益構造を見ると、純収入が約1705億円。その約80%がメディア(テレビ放送・ネット配信など)で約1365億円、約10%がライブイベント(チケットなど)で約162億円、約10%がグッズなどの約178億円となっている。WWEは自社でコンテンツを制作し、その配信の権利を、テレビ局や配信メディアに売ることを最大の収益源としているのだ。コンテンツを自社で作り、映像などの権利を持つビジネスモデルに強みがある。一方、日本のプロレス会社は、これほど大規模なビジネスモデルは実現できていない。
2025年1月からは米動画配信大手Netflixも、WWEのプロレス番組「RAW」を米国やカナダなどで独占配信していく。契約金は10年間で50億ドル(約7400億円)。WWEはグローバルな視聴者基盤を有しているからこそ、それを生かした大規模な放映権ビジネスを展開できるのだ。日本のプロレス会社もデジタル配信など、新たな収益源の開拓に取り組んでいるものの、現状グローバルな規模といえるほどには大きくない。日本企業がより強いビジネスモデルを構築できるかは、魅力的なコンテンツを制作して視聴者層を拡大できるかにかかっている。
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