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仕事のミスを隠そうとする部下、掛けるべき「一言」

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月7日 8時10分

仕事のミスを隠そうとする部下、掛けるべき「一言」

なぜミスを隠してしまうのか?

 「申し訳ありません……」

 上司から「なぜミスを隠したのか?」と問われ、若手社員は俯(うつむ)いたまま何も答えられなかった。

 「そもそも、今回はどんなミスだったのか。理解できているか?」

 このように質問すると、若い部下は「え!」と驚いたような声を出した。

 ミスにはさまざまな種類があり、上司と部下で認識が大きく異なることが多い。それどころか何が「ミス」で、何が「失敗」なのかも分からないと、全てをネガティブなものと捉え、ついつい「隠したい」という衝動を抑えられなくなってしまう。

 そこで今回は、「ミス」と「失敗」は何が違うのか、そしてミスにはどんな種類があり、それぞれのミスに対して、どのように部下と向き合えばよいのか解説する。部下を持つリーダーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

●「ミス」と「失敗」は違う

 そもそも「ミス」と「失敗」は全然違うものだ。私はある社長に、

 「ミスはダメだけど、失敗は大いにやれ」

 と教えてもらった。どちらもネガティブに捉える人がいるが、実はそうではない。何が違うのか、3つの視点で分けてみよう。

1. 意識的か無意識的か

 ミスは計算式を間違えたり、入力を誤ったりする「無意識的な過ち」を指す。

 一方失敗は、プロジェクトが納期に間に合わなかったり、新規製品が市場で受け入れられなかったりするケースを指す。一所懸命に努力したのだが、結果や計画が期待通りにならなかったことを指すのだ。

 従ってミスは無意識だが、失敗は意識的にとった行動の結果といえる。

2. 対策の難易度

 ミスはその場で修正できることが多い。とくに「ケアレスミス」などはそうだろう。「もっと集中しよう」「3回はチェックしよう」と心掛けるだけで対策できる。

 一方で失敗は、意思決定プロセスや計画そのものを見直す必要があるため、どちらかというと対策の難易度は高い。対策をとる範囲も広かったり、どこに問題があるのかを特定することも難しかったりする。

3. 成功との関係性

 失敗とミスの最も大きな違いがこれだ。ミスは報告書内の小さな誤りが信頼性を損なうように、成功を妨げる要因にしかならない。極力避けるべきだ。

 「失敗は成功の母」とは言うが、「ミスは成功のもと」などとは表現されない。

 従って失敗はミスと違い、その経験を次へ生かすことができる。失敗の数があるだけ、チャレンジ精神が高いともいえるわけだから、失敗を恐れずに挑戦することも大事だ(失敗をすればいい、というわけではない)。

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