なぜ「チョコボール」人気は続くのか 変えないところは変えない
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月11日 11時1分
チョコボール「おもちゃのカンヅメ」が進化していた
「クエッ、クエッ、クエッ、チョコボール♪」――。
1987年に放送されたテレビCMで、お笑いコンビのとんねるずが歌っていました。「懐かしいなあ」と思われた人も多いかもしれませんが、この音楽が流れるクレーンゲームのおもちゃが登場しました。
その名は「キョロクレーン缶」(森永製菓)。チョコボールの取り出し口にプリントされた「金のエンゼル1枚」または「銀のエンゼル5枚」を集めれば、必ずもらえる「おもちゃのカンヅメ」のことです。
キョロクレーン缶の特徴は、キャラクター「キョロちゃん」のカタチをした筐体の中におもちゃが入っていて、手動でアームを左右に動かし、自動で上下に移動します。
うまくいけば狙ったおもちゃを手にできますが、森永製菓の関係者は「なかなか難しくて、狙ったおもちゃをゲットできません」と話していました。ちなみに、電源を入れると、冒頭で紹介した「クエッ、クエッ」のメロディーが聞こえてきます。
おもちゃのカンヅメといえば、缶の中にたくさんのおもちゃが入っている、といったイメージがあるかもしれませんが、それは昔の話。2020年の「走るキョロちゃん缶」は、「よ~い、ドン!」の合図で、キョロちゃんが走り出します。
2024年の「キョロガチャ缶」は、カプセルトイのように何が出てくるのか分からない仕掛けを施しました。実際にこの景品を手にしたユーザーがXに投稿したところ、53.4万件のインプレッションがあり、話題を集めました。
そして、2025年に「キョロクレーン缶」が登場しました。
●歴代の担当者が一人で決める
チョコボールが誕生したのは、1967年のこと。その後、おもちゃのカンヅメはずっと続いていますが、企画はどのように進めているのでしょうか。
菓子マーケティング部の中野詩菜さんに聞いたところ「カンヅメの中に何が入っているのか。実は社内でも公表していないんですよね。社長も知りません。歴代の担当者が一人で決めていて、現在の担当は私になります」とのこと。
なぜ秘密にしているのかというと、おもちゃのカンヅメの中身は当てた人しか分からないから。
カンヅメを開けるときのワクワク感を楽しんでもらうために秘密にしているそうですが、であれば社内でも秘密にしたほうがワクワクするのではないか。ということで、担当者一人が“水面下”で企画を進めているそうです。
今回、クレーン缶を採用した理由として、中野さんは「キダルト」というワードに注目しました。キダルトとは、子ども(キッズ)と大人(アダルト)を組み合わせた造語のことで、子ども心を持ち続ける大人のこと。
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