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突然、普通の街が観光地に! インバウンドが押し寄せる「ニッチ観光地」から考える日本観光のあり方

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月24日 8時0分

 こうしたカオスさは、これまで日本の街並みの弱点とされてきた。しかし、そうした「不完全さ」が、近年インバウンド観光客を惹きつけているのかもしれない。

 前述の「富士山ローソン」も例外ではない。海外であれば、富士山のようなランドマークが見える場所には、景観保護の観点から建築規制がされる場合が多い。一方で日本の場合は、先のような事情から、「コンビニ×富士山」という思わぬ掛け算が生まれてくる。景観保護の観点からいえば、これは明らかに「ダメな景色」だ。しかし、逆にそれが観光客の興味を惹いていることをみると、景観の統率や保護ができないという「日本の弱点」が生み出した光景が、逆に「強み」になっているのかもしれない。

 もちろん、本記事で例示したものは、インバウンド観光客が感じる日本の魅力の一部でしかない。年齢や性別、出身国などによって、好みは大きく変わるはずだ。しかし、まずはニッチ観光地の誕生による諸問題に対応していくためにも、「インバウンド観光客が、日本の何に魅力を感じているのか」を考え、議論すべきである。それは、これから日本のさまざまな場所がニッチ観光地となる可能性があるなかで、欠かせない視点ではないだろうか。

著者プロフィール・谷頭和希(たにがしら かずき)

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。チェーンストアやテーマパーク、都市再開発などの「現在の都市」をテーマとした記事・取材などを精力的に行う。「いま」からのアプローチだけでなく、「むかし」も踏まえた都市の考察・批評に定評がある。著書に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』他。現在、東洋経済オンラインや現代ビジネスなど、さまざまなメディア・雑誌にて記事・取材を手掛ける。講演やメディア露出も多く、メディア出演に「めざまし8」(フジテレビ)や「Abema Prime」(Abema TV)、「STEP ONE」(J-WAVE)がある。また、文芸評論家の三宅香帆とのポッドキャスト「こんな本、どうですか?」はMBSラジオポッドキャストにて配信されている。

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