米国務省やマスク氏も採用 AIで「偽情報対策を革新」したイスラエル企業
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月26日 13時43分
2位の異常気象も重要なリスクだ。しかし、この偽情報・フェイクニュースはより大きなリスクを伴う。米ガートナーが発表した調査によると、企業は偽情報と戦うために2028年までに5000億ドル以上を投資するという。
2022年4月にイーロン・マスク氏は26億ドルでTwitter株を取得し、最大株主になった。実は、彼がTwitterを買収するまでのプロセスには、さまざまな課題があったという。
「マスク氏がTwitter買収時に(経営状況・財務状況などを調査する)デューデリジェンス時のプロセスの一環として、フェイクアカウント数を調査するために、サイアブラを選びました。マスク氏はTwitterには少なくとも数十パーセントの偽アカウントがあると判断していたといわれています。そのため当初はTwitterを買収したくないと考えていましたが、実は数パーセントしかないとの情報もあり、偽アカウントを把握した上で交渉をし続けたのです。そして最終的には買収することになりました」
2016年の1回目のトランプ大統領時には、CIA(中央情報局)長官だったマイク・ポンペオ氏が、サイアブラの民主主義への貢献を称賛。2024年1月には、サイアブラの役員に加わった。ポンペオ氏も最大の問題が偽情報にあることを理解しているのだ。今日では、他国は米国に武器では勝てないことを理解している。そこで米国の敵は、米国の若者に対して「米国は信用できない」と信じ込ませるのだという。
このことは米国にとって大きな脅威となり、もしもソーシャルメディア上で米国の国外からの干渉があれば、米国民は、米国の制度そのものを信用しなくなる。これは国にとって大きな脅威であり、情報操作との戦いであることを、CIAにいたポンペオ氏はよく理解しているのだ。
2024年は、米国大統領選挙の年だった。サイアブラは実に19個の選挙に関わっている。選挙ではフェイク情報も発信されていた。そして、その発信元が偽アカウントの可能性もある。
「全世界の政府機関、安全保障当局は、今何が起こっているのかを理解したいと考えています。問題が何かを知ることからこそ、その問題を解決できるのです」
●サイアブラのAIとは?
サイアブラの情報分析を支えるAIは、ある行動パターンに基づいている。例えば2023年10月7日にイスラエルで、ハマスによるテロが起きた。その際に、イスラエルを批判する多くの記事も出たという。その後にさまざまな調査をした結果、多くのアカウントは10月7日の1年以上前に作られたものであり、その多くのアカウントは、一度もFacebookに投稿していないことも発覚した。
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