1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

時給5000円、日本で外貨を稼ぐ 円安を逆手に取る“越境リモートワーク”のリアル

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 8時10分

 LinkedInでの投稿を行おうと、さまざまな企業のページを参考にしていたなかで気付いたのは、LinkedIn上には正社員はもちろん、業務委託やインターンなど、世界中の幅広い求人が掲載されているということだ。働き方も、完全出社やリモートと出社を組み合わせたハイブリッド、フルリモートまでさまざまなものがある。

 そうしているうちに偶然見つけたのが、日本にいながら外国企業と契約し、ドルやユーロなどを稼げる“越境リモートワーク”の仕事だった。

●AIに日本語や日本的な感覚を教える仕事で、時給は約30ドル=約5000円

 私が見つけたのは、英語の動画に日本語字幕をつける「翻訳」の仕事と、AIが作成した日本語の回答の事実確認や言い回しを修正する「AIトレーナー」の仕事だった。英語に苦手意識があった私は、応募するのに少しためらったが、「副業として、試しに始めてみよう」と思い、英語の履歴書を作成して送った。記事執筆の経験がある人などという応募条件にマッチしたからかすぐに返答があり、簡単なテストを受けることに。数日後には連絡があり、結果は合格。すぐに業務を開始できることになった。

 こうして初めてリモートで外貨を稼ぐ仕事を始めた。主に取り組んだのは、「AIトレーナー」の仕事だ。契約している会社は、米国に本社がある。時給は約30ドルで、日本円にすると約5000円だ。当時会社員として働いていた私にとっては、副業として行うには十分な金額であり、忙しさに応じて柔軟に取り組めるのが魅力だった。

 AIトレーナーの仕事内容は、各プロンプトに対してAIが作成した回答を自然な日本語に修正したり、日本人的な考え方を反映した内容にしたりすることだ。ものによっては、AIが出してきた2つの回答を見比べ、事実に誤りがないか、言葉使いが不自然でないかなどの複数の項目を確認し、修正が必要な部分があれば英語で指摘する。そのうえで、どちらの回答が優れているかを選び、その根拠を英語で記載する。

 毎日安定してタスクが割り当てられるわけではないため、この収入だけに頼ることは不安だというデメリットはある。ただ、会社員を辞めて独立した今は、仕事の合間にできる限りタスクをこなすようにし、月に1000ドルほど得られるようになっている。日本円にすると20万円弱なので、ありがたい収入源だ。

 報酬は電子決済システムの「ペイパル(PayPal)」で支払われる。仕事を始めたころは「詐欺だったらどうしよう……」と不安だったが、幸いこれまでに支払いが遅れたことは一度もない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください