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時給5000円、日本で外貨を稼ぐ 円安を逆手に取る“越境リモートワーク”のリアル

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 8時10分

●「英語力」より求められるのは…

 自分でドルを稼ぐようになるまでは、「私は英語力に自信がないから、日本でしか仕事ができない」と思っていた。ただ、実際に働いてみて感じたのは、英語力よりも圧倒的に「日本語力」が重視される場面が多いということである。特にAIトレーナーの業務では、「正確で自然な日本語を書ける力」が不可欠であり、それが仕事の評価に直結する。

 また、「日本人的な考え方」や「日本の文化的背景から、プロンプトの意図を理解する力」が求められる。例えば、ChatGPTなどのAIを活用したとき、自分としては“自然な”日本語でプロンプトを入力したはずなのに、的外れな回答が来たことはないだろうか。また、日本語を自動翻訳したときに、本来主語は“I(私)”であるにもかかわらず、“You(あなた)”などと訳されてしまい、意図とは全く違う文章になったことがある人も多いだろう。

 日本語は主語を省略しても理解することができるため、人同士でのコミュニケーションでは“ニュアンス”が伝わるが、AIはなかなかそれが理解できない。きちんとAIに伝えようとすると、そうしたニュアンスもきちんと“言語化”する必要があるのが現状だ。

 こうした背景もあり、「日本人的な考え方」や「日本人ならではのとらえ方」をAIに覚えこませることが求められている。そのため、英語力よりも、むしろ「日本語力」や「日本的な思考力」の方が重視されることが多いと感じる。

 一方で、英語ができるに越したことはないが、英語力に関しては、私が当初予想していたほど高度なレベルを求められるわけではない印象だ。もちろん、生成AIの活用や自動翻訳ツールなどの使用が制限されている仕事もあるが、明確に“禁止”されているものは少ない印象だ。英語での簡単なメールでのやり取りや業務連絡ができれば十分であり、そのために生成AIや翻訳ツールを効率的に使いこなし、対応する力の方が求められる。

 そもそも、“完璧な英語”を身に付けることは難しい。特にAIトレーナーに関しては、料理や旅行などの身近な話題はもちろん、法律やテクノロジーなどの専門性の高いものまで、AIが作成したさまざまな回答を確認・修正する必要がある。そのため、全ての領域を網羅するほどの英語力を身に付けるのはほぼ不可能であり、ツールを使いこなして案件に対応しながら、徐々に英語力を高めていくことが求められると感じる。

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