どうなる、ホンダ・日産連合 ヒントは「トヨタ」「鴻海」の強引さにあり?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 14時0分
日産・ホンダの統合、どうなるのか(出所:ゲッティイメージズ)
2024年12月、日産とホンダが経営統合に向けて動き出すと発表した。2026年8月に持ち株会社を設立し、傘下に2社が入る予定だ。統合により、車台の共通化や研究開発機能の統合、サプライチェーンの最適化など7つのメリットがあると発表している。
業績を見れば、ホンダが好調な一方で日産は車が売れなくなっており、事実上はホンダによる救済ともいえる構図だ。今回の統合について、一部では台湾の鴻海精密工業による日産買収を防ぎたい経産省が主導したとの憶測も出ている。経営統合後の道筋を考えてみると、統合によるメリットは小さいようにみえるが、どのように進展するのか。
●果たしてゴーン氏だけの責任なのか
日産といえば、カルロス・ゴーン氏による“国外脱出劇”を思い浮かべる人も多いだろう。金融商品取引法違反などの容疑で逮捕されたゴーン氏は、2019年4月に保釈された。その後、同年12月に自家用機を使って密出国した。
犯罪者といえばそれまでだが、日産におけるゴーン氏の功績は大きい。振り返れば1990年代は、日産にとって苦悩の時代だった。当時は国内で新車販売台数が減少し、軽自動車の比率が上昇し続けた時代だ。日産は国内で「売れる車」を作れなくなり、1999年には実質的な有利子負債が2兆円を超えた。同年、ルノー傘下に入ったことでゴーン氏が派遣され、以降同氏が日産の舵(かじ)を取ってきた。
ゴーン氏は国内5工場を閉鎖したほか、車両プラットフォームの削減、下請け企業の保有株式売却など、身を切る改革を進めた。一方で、北米市場や中国市場を強化した。しばらく名車を生み出せていなかった日産だが「エクストレイル」や3代目の「マーチ」「ノート」などを発売。2010年には「世界初」の量産電気自動車として「リーフ」も発売した。
こうした輝かしい時期から一転、近年は再び車が売れなくなった。グローバル販売台数は2017年度の577万台をピークに減少し、国内のみならず北米や中国でも悪化。2023年度は販売台数が344万台で、EV化が進む中国で低価格をウリに勢いを増す中国勢に勝てず、規模を縮小している。
北米では電気自動車に代わってハイブリッド車が人気だが、主力の「ローグ」にハイブリッド車種がなく、伸び悩んでいる。ハイブリッド車を軽視したゴーン氏の影響もさることながら、彼が日産を去ってから5年以上がたっていることを考えると、社内全体の問題といえるだろう。
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