どうなる、ホンダ・日産連合 ヒントは「トヨタ」「鴻海」の強引さにあり?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 14時0分
●長らく好調が続くホンダ
対照的にホンダは好調が続く。1990年代には低迷する日産をよそに「オデッセイ」や「CR-V」「ステップワゴン」などのヒット作を生み出してきた。その後、長らく開発してきた小型ビジネスジェット機「HondaJet」のリリースは、高い技術力を知らしめた。
何よりホンダは二輪で世界をけん引している。世界で年間6000万台近くが売れる二輪市場において、ホンダは台数シェアで3分の1を占める。国内は縮小傾向だが、特に中国やインドを筆頭とする新興国で生産・販売網を拡充してきており盤石だ。
円安・値上げも相まって売上高増加が続く。2024年3月期は過去最高で20兆円を超える。まとめると、近年のホンダは、世界トップシェアの二輪を維持するとともに、四輪もハイブリッド車が好調で、日産との明暗がきれいに分かれている。
●統合による7つのメリット
経営統合に関して、日産の内田誠社長は「どちらが上、どちらが下ではなく」とアピールするが、ホンダが救済する構図なのは明らかだ。会計基準が異なるものの、2024年3月期の売上高と営業利益はホンダが20.4兆円・1.3兆円、日産が12.6兆円・5687億円で、ホンダの方が企業規模は大きい。時価総額もホンダが圧倒している。
なお、両社は統合に関して統合には次の7つのメリットがあると発表している。
(1)車両プラットフォームの共通化によるスケールメリットの獲得
(2)研究開発機能の統合による開発力向上とコストシナジーの実現
(3)生産体制・拠点の最適化
(4)購買機能の統合によるサプライチェーン全体での競争力強化
(5)業務効率化によるコストシナジーの実現
(6)販売金融機能の統合に伴うスケールメリットの獲得
(7)知能化・電動化に向けた人財基盤の確立
まとめると、車両生産や調達を共通化し、両者の研究開発機能を統合して技術力向上を狙うということだろう。米中勢が台頭する中、電気自動車や自動運転技術の開発に双方の人材と資金力を注ぎ込んで戦っていく考えだと推察する。
企業規模が異なるとはいえ「対等な統合」を強調している以上、生産や開発で徹底した効率化を進められるかは疑問だ。効率化にはリストラや商品数の絞り込みなどの“痛み”を伴う。ホンダが主導権を握り、工場や車両プラットフォームを共通化できれば良いが、持ち株会社に両者がぶら下がる構図だと難しいだろう。
●トヨタとスバル、鴻海とシャープのような「強引さ」が必要だ
この記事に関連するニュース
-
自動車大手国内7社、昨年の世界販売台数1・3%減…中国で苦戦・6社はアメリカでHV好調
読売新聞 / 2025年1月30日 21時46分
-
中国BYDがホンダの世界販売台数を上回る…中国勢大躍進の裏でEV強化を図るホンダの勝算と懸念
集英社オンライン / 2025年1月30日 7時0分
-
窮地の日産、ホンダとの協議開始は「最後の審判」か 統合に至るまでに乗り越えるべき課題
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月28日 5時55分
-
二輪事業は“世界シェアトップ”だからこそ…ホンダが“メリットの少ない”「日産との経営統合」を進めた先にある未来
日刊SPA! / 2025年1月18日 8時48分
-
日産、凋落の理由は「“売れる車”を開発できなくなったから」数々の名車を生み出した“技術の日産”が迎える正念場
日刊SPA! / 2025年1月11日 8時53分
ランキング
-
1「無料Wi-Fi」利用時の落とし穴…スマホの安全対策は大丈夫? 安心して使うためのポイントを解説
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月30日 10時10分
-
2フジ、CM減収233億円=中居さん問題で赤字へ―親会社、業績下方修正
時事通信 / 2025年1月30日 21時1分
-
3《笑福亭鶴瓶の冠番組が放送休止》「このタイミングでなぜ…」疑問にテレビ局広報が回答した“意外な理由”「一連の報道とは関係がありません」
NEWSポストセブン / 2025年1月30日 19時45分
-
4「しれっと訂正した文春」フジとの"ズルい共通点" 批判の矛先が次は週刊文春に向かっているが…
東洋経済オンライン / 2025年1月30日 15時45分
-
5新幹線、4月から料金改定 東海道、山陽、九州で
共同通信 / 2025年1月30日 19時11分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください