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どうなる、ホンダ・日産連合 ヒントは「トヨタ」「鴻海」の強引さにあり?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月30日 14時0分

 例えば、トヨタはスバルの株式を21%握り、EV生産では共通化を進めてきた。トヨタの「bZ4X」とスバルの「ソルテラ」などは、基本的に同じ車である。筆者が取材したスバルの担当者は「将来的にトヨタの生産工場になってしまう」と嘆いているほどだが、効率化を進めるにはこのように片方が主導権を握らなければならない。

 急な統合計画で驚かせた日産とホンダだが、その裏には鴻海の影があったともいわれている。公式にはノーコメントとしているが、鴻海は日産株を3割以上握る仏・ルノーに接触しており、日産取得に向けて動いていた。iPhoneへの依存体質から脱却したい鴻海は、2020年頃から台湾や中国で電気自動車事業を強化してきた。これに焦った経産省が、ホンダとの経営統合を指示したとされる。

 鴻海はシャープを再建した実績がある。2016年にシャープを買収した後、徹底したコスト削減策を実施し、2017年3月期から2022年3月期までの間、営業黒字を維持した。数千人規模のリストラを行ったほか、細かい部分では「工場内のエスカレーターを停止」したといい、日産とホンダの経営統合後、このような思い切った施策ができるか疑問だ。

 経産省は当然「日の丸企業」を守ることに専念する。しかし、ただ守りの姿勢をとるだけでは、電気自動車や自動運転で台頭する米中勢に勝てないだろう。ホンダは今のところ好調だが、近年は画期的な電気自動車を開発できていない。スマホやPCの受託生産で技術力を伸ばしてきた鴻海と手を組んだ方が、日産は面白い車を作れるかもしれない、と思うのは筆者だけだろうか。

●著者プロフィール:山口伸

経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。

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