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フジ新社長はアニメ畑出身 「異色だが期待大」な、決定的な理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月1日 18時51分

 「清水新社長は、番組を企画する編成に長くいました。スカパー(・ウェルシンク)というところにも行って、外部の人とも仕事をしたことがあります。さらに経営企画ということで、会社の経営も見ることができる。さらに今FMHの専務という形で、フジテレビも、その持ち株会社のFMHも経験してるということで、オールラウンドでテレビ業界のことにも詳しいです。今の状況においてふさわしいと判断して、それはあの誰がということじゃないですけれども、取締役会で選任しました」 (金光社長)

●動画配信ビジネスをどう強化していくか

 港前社長と対照的に、会見後のSNSなどで清水新社長を評価する声は少なくない。もちろん賛否はあるものの、全体的にはフジテレビの再建と信頼回復に向けた人事として、高い期待が集まっているといえるだろう。

 会見中、フリーの記者を中心に「会見は失敗」などのやじも飛び交った。他にも「失敗」と分析する見方は少なくない。だが、会見翌日の1月28日のFMHの株価は、1960円の始値から2035円の終値をつけた。前日比60円、3.04%の上昇だ。株価上昇にはさまざまな原因があるものの、指標という面では、27日の記者会見と清水新社長の就任は「成功」だと評価できる見方もあるのではないだろうか。

 2023年のアニメ産業市場は3兆3465億円を記録し、前年比114.3%の成長を遂げた。このうち海外市場が51.5%を占め、国内市場を上回っている 。この高成長を実現しているのが、動画配信ビジネスにおけるアニメの好調ぶりだ。

 動画配信による視聴が一般化したことによって、テレビアニメの海外展開時に、現地の放送局などとの交渉が不要になった。これにより以前より海外展開がはるかにやりやすくなっている。帝国データバンクによれば、アニメの動画配信市場は2012年から2022年の10年間で、10倍に拡大したという。

 清水新社長就任は、この急成長を遂げるアニメ動画配信ビジネスにどう影響するのか。清水新社長が担当した作品でも『Dr.スランプ アラレちゃん』など、2025年1月末現在、動画配信サービスで配信されていない作品も少なくない。

 他にも、2006年9月24日放送の『ONE PIECE』を最後になくなっている、午後7時から午後10時までのゴールデンタイムでのアニメ枠復活を期待する声が、アニメファンや業界から上がっている。イレギュラー枠でのゴールデンタイムのアニメ放送は2021年9月の『鬼滅の刃』があり、ビデオリサーチ社によれば、その視聴率は軒並み13%以上となった。

 清水新社長は会見で「テレビが1番、(方向として)向いているのは視聴者の皆さま。信頼回復に向け、たった1つの魔法の薬はない。やはり日々1つずつ着実に策を実行し、日々信頼を少しずつ地道に取り戻していくしかない」と述べている。

 その「策」として、今や国民的な一大産業であるアニメが、どこまで活用されるのか。混乱を経てどのような道筋を経るのか注目に値するだろう。

(河嶌太郎、アイティメディア今野大一)

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